【d!】甘い甘いスイーツと・・・ (ページ38)

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断罪すべき者達ページ38

「こんなこと、正しいと思えへん」

コネシマはようやく口を開いたが、零れ出たのは絞り出したかのようなか細い声だった

その言葉にチーノが隙を見せたので、ゾムが追い打ちをかけようとする

怒りに狂った瞳で、何かを追い求めるように

ただチーノに向かって確実に仕留められるように立ち回る

しかし、それはグルッペンによって阻まれた

「…チッ」

小さな舌打ちには、多くの想いが詰め込まれていた

止められた理由を理解できない訳では無い

ただ、納得ができないのだ

そうこうしている内に、チーノがコネシマに話しかけている

「そうやって、一体貴男は何を守れたんや！！
　体裁か！？身分か！？綺麗事言ってないで、昔の貴男に戻ってくれよ！
　正しさで飯が食えるか！？最大多数の最大幸福を追い求める貴方は…
　どこに行ってしまったんや？」

凶悪さが増すように改造された処刑人の剣が、コネシマの両手剣をギリギリと押し返していく

チーノの瞳は悲しげに細められている

「コネシマ(ヨハンの冠を持った断罪者)は、俺の先輩は、どこに行ったんや」

『！？』

ヨハンの冠

断罪者、または死刑執行人にとって最高位の称号であり、
通常身分の低いものが死刑執行人という職業につくという事から嫌煙されがちなイメージを、
一瞬で払拭できるほどの権威を持つ

【ヨハン】というのは、人類史上最も多くの人物を処刑したという
【ヨハン・ライヒハート】から来たものだ

「コネシマ…お前」

唖然とした表情でシャオロンが声を発する

今までコネシマは誰にもその事実を伝えていなかった

仲間を信用できない訳では無い

ただ、過去の自分を拒絶したかっただけだった

感情が欠落した自分を、嘘で塗りつぶして埋め合わせた今の自分が、
あたかも本物であるように

「コネちゃん…。俺も、力を貸すよ」

全てを悟ったかのように、ひとらんらんはコネシマの両手剣にそっと手を添えた

憤怒の力を発現させたひとらんらんの力は、チーノの処刑人の剣を軽々と弾き飛ばした

その反動で、チーノが後ろによろける

「なん、で。お前は前もそうやった！断罪人として処刑するべき罪人を、
　意味もなく守った。…ありえない。
　俺だって、幸せをつかみたいんや！俺だけ、どうしてっ…」

完全に八つ当たりである言葉を発するチーノに、コネシマは声をかけた

感情を取り戻した‘様に思える’優しげな声で