-32話- ページ35
「Aが、裏切った」
私が、あんていくでこう報告したのは、Aがカネキを連れ去った数時間後のことだ。
「まさか彼が裏切るなんて…」
「あってほしくないことだけど…」
「事実なのだから、受け入れるしかない」
報告を聞いたあんていくのメンバーは、ひどく暗く悲しそうな表情を浮かべていた。
「あと、アイツの赫子……“尾赫”でした」
「尾赫だと？そんなの使ってたか？」
「まあ、元々彼の赫子自体突然変異みたいな感じだったし……“元”が出たんじゃないかな？」
「さすがッ！Aくんだ！嘸かし美しい赫子なんだろうねェ。」
「とにかくアオギリはただでさえ厄介な連中ですから、気を付けていかないと」
すると、メンバーの中央に立っていた芳村さんが静かに頷いた。
「カネキ君を助けに行く」
わかっています、と言うように他の喰種達が力強く頷き返した。
もちろん私も、はじめからそのつもりだった。
そしてAのことも連れ帰りたい。
連れ帰ったら、１回ビンタして、今度こそ抱き締めてやる。さっきはできなかったからね
「──待ってなよ、カネキ。A」
私はアオギリの基地を見上げながら、静かにしかし力強く呟いた。
────────────
────────
「久しぶり、カネキ君」
トーカ達の丁度同時刻
Aはカネキと対峙していた。
「ヤモリ、殺しちゃった？」
「うん」
「そっかぁ残念。髪白くなっちゃったね？」
「うん」
「カネキ君は黒髪の方が好きだったのに」
「うん」
のんきに話しかけるAとは裏腹に、カネキは冷静な顔で頷くだけ。
会話の温度はあがらない。
「…………怒ってる？」
ふとしたAの問いかけに、カネキは何も答えない。代わりに指をパキッと鳴らし、それを合図に腰から鱗赫が飛び出す。
「何でこんなことをしたのか、答えてくれる？」
そしてカネキは淡々と問いかける。
しかしAは黙って首を横に振り、代わりに腰から白色の尾赫を出して笑った。
続く (更新停止中)
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レイン - 最後まで読んで「続く」見て、独り言で続けって言っちゃった (2019年1月26日 16時) (
レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
ダメ天使 - すごく面白くて一気に読んじゃいました!!続き楽しみにしてます。 (2018年2月8日 10時) (携帯から) (レス) id: 89fc855d6c (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 林檎。さん» そそそそ、それは奇跡…いや運命に近いですね！w。ありがとうございます！これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします！ (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 稀羅さん» ありがとう！そう言っていただけますと、とても励みになります！頑張ります！ (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 輝夜さん» 最近亀更新ですみませんでした！応援ありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒氷雨 | 作成日時：2014年7月17日 9時
