-29話- ページ32
「んだ？その髪の毛」
「黒染めしたのよー。どう？」
床に寝転がり、棚に乗せていた足をバタバタを揺らすと話しかけてきた男の顔が、舞うホコリに歪んだ。
「…灰色の時と特に変わんねえな」
「それ本気で言ってる？
お前の目、おかしいんじゃねえの？アヤト」
「っるせえ。頭かち割るぞA」
「はぁ〜？うっざ」
後転して起き上がる。
そのせいで、ぐしゃぐしゃになってしまった“黒髪”を手ぐしで適当に直した。
「つか何でお前がアオギリのアジトにいんだよ？」
「ナイス質問。それを待ってた」
「は？」
立ち上がると黒いジャケットがふわりと、翻った。
「────────」
────────────
「最近A見ねえな」
金木、お前最近見にいったんだろ？」
「あ！何変わりなく元気だったよ！」
客があまりいない故、皿洗いや皿拭きをしていたあんていくの店内に客が来たと鐘がなった。
「あ、いらっしゃい」
「Aくん！」
「どーも」
全身黒づくめのAがニコリと笑う
そして久々に会う金木に飛びつき、力いっぱいに抱き締めた。
「かﾞねﾞきﾞくﾞんﾞ〜〜！」
「く、苦しい……」
「相変わらず大好きだな？」
「トーカちゃん！トーカちゃんもぎゅーしよ！？」
「悪いけどそれはパス。これで許して」
トーカはAの頭を何度か撫でた。
それに機嫌を良くしたAは、えへへとはにかんだ笑顔でそれを撫で受けた。
「久しぶりだね、Aくん
…やっぱり髪の毛染めちゃったの？」
「久しぶりだねー、カネキくん
…そうそう染めたんだ、“老化”が進んで白髪になりかけたから」
“老化”の単語にカネキとトーカは首をかしげた。意味を問いてもAは意味深に笑いながら、口元を押さえるだけ。何も答えない。
「…そういえば今日は二人に大事な話があるんだぁ」
軽やかなステップで金木達から距離をとったAの手には、いつの間にか白のガスマスク。
「そろそろ良いかしらん？Aちゃん♥」
「待ちくたびれたぞ」
そして入口から突然入店してきた男二人。
「もうちょっと待てくださいよーもう。」
Aは怒りながらガスマスクを着用すると
「カネキくんを“もらっていくね”」
Aの目が赤く染まるのと同時に、彼の腰から見たことのない赫子が飛び出したのだった──。
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レイン - 最後まで読んで「続く」見て、独り言で続けって言っちゃった (2019年1月26日 16時) (
レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
ダメ天使 - すごく面白くて一気に読んじゃいました!!続き楽しみにしてます。 (2018年2月8日 10時) (携帯から) (レス) id: 89fc855d6c (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 林檎。さん» そそそそ、それは奇跡…いや運命に近いですね！w。ありがとうございます！これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします！ (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 稀羅さん» ありがとう！そう言っていただけますと、とても励みになります！頑張ります！ (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 輝夜さん» 最近亀更新ですみませんでした！応援ありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒氷雨 | 作成日時：2014年7月17日 9時
