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〜四騎士と天司9〜 ページ9

サンダルフォンのいう意味を正しく理解しないAは、何かあれば料理人を許さない、という言葉としてではなく、俺に何かあればAを許さない、と解釈する。そのことに気付いていたサンダルフォンだったが、休みモードに入ったAに声をかけるのはやめる。そして1時間ほどたち、従業員たちが店に店に戻ってくる。

「あ、サンダルフォン君!ねぇサンちゃんって呼んでいい?」
「断る。俺は君と仲良くするつもりはないよ」
「え〜、も〜照れちゃって〜」

なおも言い寄る女だったが、サンダルフォンを呼ぶジャックの声にいったん離れる。騒がしくなった気配に、いつの間にか眠っていたAは目を開けると、椅子から立ち上がる。

「はぁ…っと、始めるか」

気合を入れなおし、厨房に戻る。すると、倉庫の中からAを呼ぶ声がし、歩いていく。

≪ガチャンッ≫

突如扉が閉められ驚く。すると、薄ら笑いを浮かべる先ほどの料理人が立っている。

「あんた、どうしてそんなにサンちゃんと仲いいのよ」
「だから言っただろ。あいつは幼馴染だって」
「おかしいじゃない!それだけでそこまで仲いいわけ…」
「ま、確かに見た目ほど仲はよくないよ。何せ本気で一度お互い戦ってるからな」
「たた…?はぁ!?嘘言わないでよ!あんた騎空士だって聞いたけど、どうで一緒にいられるからでしょ!?」
「じゃなくても一緒にいたけど、そんなに好きなら声をかければいいだろう」
「その余裕が腹立つわ!あぁもう!」

そばにあったものをAに投げつけてくる。間一髪Aはキャッチするが、手に鈍い痛みが走る。

「チッ…物騒なものなげやがって」

投げてきたのは小型のナイフで、精霊の魔力の種を取り出すときに使う道具である。

「ま、すぐに治るけど…その行動は頂けないなぁ」
「な、なによ」

今度は傍にあったワインボトルを投げる。中身の入ったボトルをなんとかキャッチすると、顔を上げた瞬間に視界がふさがる。

「うわ…ッ」
「はん、あんたなんか!こうよ!」

ワインボトルを庇ったせいで女の投げたものがAに直撃する。額からは血が伝い、痛みが広がっていく。

「…ッ」
「何よその目は!何かいいなさいよ!」
「哀れだ…」
「はぁ!?」

Aの一言に激高した女は、そばにあった台を手に持つ。

「あんたなんか…!」

振り下ろされる椅子からワインボトルを守ろうとAは背を向け、ボトルを抱え込むのだった。

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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時

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