Episode32 ページ45
目を覚ましたAの目の前にあったのは、武器の山だった。
「…なんなんだ、これ」
「武器だ」
「そういうことを聞いてるんじゃ…って、ジークフリート…」
目の前にいる男にAは思わず安堵したような、申し訳ないような顔になる。
「…」
「頼みがあるんだ」
「…他に言うことあるだろ」
「ああ、国を救ってくれて感謝している」
「違う！僕は…あんたを殺しかけたんだぞ！？」
「そうするしかなかったのだろう。大方、ランスロット達から聞いている」
「だからって…」
ニコニコとほほ笑むジークフリートに言葉を失う。
「ならば、少しAに働いてもらいたい」
「働く…ああ、復興を手伝うのか」
「いや、お前にしかできないことだ」
首をかしげると、ジークフリートは武器を手に取る。
「これに、君の加護をつけられないか？」
「これって…ただの支給品の武器だろ？」
「ああ。ここにあるの、全部だ」
「…は？」
山のようになった武器に、思わず変な声が漏れる。
「ランスロットとパーシヴァルがお前の加護のついた武器を使っていて、幽世と戦うときは色が変わることに気が付いた。顕現で体力を消耗するなら、加護を付与するのはどうかとおもったんだ」
ジークフリートの説明に納得がいく。
「まさか、武器までそんな効果が…けど、やったことないぞ。加護とかそういうのはルシフェル様や四大天司の得意とするものだし…」
「やってみなければ、わからないだろう」
「…ハッ、人間の分際で僕にそこまで言いやがるか」
苦笑いするAに、ジークフリートは笑みを崩さない。
「…剣を貸してほしい」
「ああ、これでいいか？」
剣を受け取り、眺めてみる。試しに力を流してみるが、すぐに分散していく。
「…」
「だめそうか」
「いや…」
再度力を流し込む。先ほどと違い、しばりつける魔力も加える。しかし剣となじむことなく剣が拉げる。
「…無理そうだったな。ほかの方法を探すとしよう」
「ジークフリート」
「なんだ」
「お前、真龍の血が入ってるって言ったな」
「ああ」
「…」
じっとジークフリートを見つめるA。突然起き上がったかと思うと、腕をつかむ。驚く間もなく、何かの力が流れ込む。
「…星の獣の力を媒介に、僕の加護を付けた。おそらく、お前はもう見分けがつく。けど、これだと僕の体力の消費は激しい…やっぱり、武器に定着させるものがいるか」
「…A、手を放してくれないか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお！ありがとうございます！家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます！もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (
レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…！二人と仲良しな主人公が見たいです！ぜひ！！ご検討ください！！ (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月29日 23時
