Episode26 ページ39
アグロヴァルと別れたAとサンダルフォンは先へと進む。
「おい、A…」
「…ん？」
「さっきの…その、家臣ってのは」
「ああ…」
「まさか、受けるつもりか？」
「そんなわけないだろ。僕が忠義をつくして仕えるのは今も昔も二人だけだ」
「…ん？」
「作られて、助けられた時からルシフェル様に…そして、いつも傍で助けてくれる友人に…二人の天司長に僕は仕えてるんだ。だいたい、僕が国に仕えたら世界征服なんか余裕だ」
「…ならいいが」
安堵したような表情のサンダルフォンに笑う。
「何千年…いや、何万年だろうとお前とともにいる。不滅な存在が孤独であるとか、そんなの関係ない…どこでだって僕らは一緒だ」
Aは無意識につぶやくが、サンダルフォンはAの言葉に驚く。
「君が…そんなことを言うと思わなかった」
「あー…いや、正直さ。やっぱちょっと寂しかったわけで」
Aは苦笑いをする。
「三人で二度と一緒にいられないんだって思うとさ…そう思ったら、あの四人の騎士を放っておくこともできない。もちろん、団長達も。僕はミカエルほど力はないけど、副官として支えていきたいとは思ってるよ」
「…そうか」
ふと、サンダルフォンがAを追い抜かし、振り返る。
「なら、命令だ。勝手に一人で何でもやろうとするな」
真剣な表情のサンダルフォンに、思わず立ち止まる。
「君と俺は、上官と副官である前に友人だろう」
サンダルフォンの言葉にAは胸の中の何かがざわつく。
「俺を信じろ。頼ることは悪いことではない。ルシフェル様も…俺達を頼ってたんだ。だから、悪いことではない」
「…」
「団長やミカエル、俺を…もう少し頼ってくれ。いつまで俺は、君に守られればいい。ルシフェル様のように強くもなければ導く事もできない…だからこそ、俺は君を頼る。だから、頼れ」
「…まさか、ここまで来てサンダルフォンに説教されるとは」
「なっ…」
クスクスと笑うAに反論しようとするが、言葉は出ずに止まる。Aの目から涙がこぼれる。
「…サンダルフォン」
「なんだ」
「もし、僕が目を覚まさなかったら…力を分けてほしい」
「ああ」
「けど…正直サンダルフォンも僕を頼ることってないよなぁ」
「頼る場面がないだけでは」
「は…？」
重い空気は一変、とたんにバトルモードへと変わる。
「なんだよ、頼れとか言っておいてそれかよ」
「仕方ないだろう。君はいつも無茶をする」
「はぁ！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお！ありがとうございます！家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます！もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (
レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…！二人と仲良しな主人公が見たいです！ぜひ！！ご検討ください！！ (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月29日 23時
