Episode25 ページ38
「…ん？」
何やら衝撃を感じ、目を開ける。傷のあったはずの場所はふさがっており、痛みはない。ふと下に違和感を感じ視線を移すとAの上にいることに気が付く。
「おい…起きろ、A」
「…」
目すら開かないAに焦りが募る。とっさに思い付いたのは、天司長の力で癒すことのみだった。結果的にAの顔色はよくなり、うっすらと目を開く。
「あれ…」
「はぁ…」
目を覚ましたAに安堵し、思わず息をつく。ゆっくりと体を起こしたAは、体の感触を確かめる。
「…なんだか、あったかい」
「あったかい…？」
「サンダルフォン…お前の力だ。あったかい、気持ちい…って、そんなこと言ってる場合じゃないか」
「そうだな。力に温度とは聞いたことがないが」
「安心する何かがあるんだよ。にしても、思ったより体力の消費が激しい…このままじゃまずいな、早く氷皇と国王を探そう」
「ああ」
早歩きで先へと進む。先ほど団員に聞いた部屋まで向かうと、目的の人物は見つかる。
「…案外、早く見つかったな」
「そうだな…」
進むAをサンダルフォンが止める。
「罠かもしれん」
「いや…けど、あの二人は本物だ」
「…しかし」
「罠なら、壊せばいい、二人が優先だ」
「…そうか」
そのまま先に進むが、何事もなく二人の元へはたどり着く。気配を感じたのかアグロヴァルは顔をゆっくりと上げる。
「我末弟の仲間…か」
「ま、そんなところだ。動けるか」
「ああ…だが、この国王は動けんだろう」
「…ずいぶんと怪我したな。起きれるか」
「ありがとう…それで、国は…」
「今騎士団が動いてる。人質は解放して最後だ。この国だけじゃない、全空で戦ってる」
「そうか…」
肩を落とすカール。アグロヴァルにAは向き合うと、剣を差し出す。
「氷皇、戦えるか」
「…」
しばらく剣を見つめると、口角を上げて握りしめる。
「おい、まさか二人だけで行かせるのか？」
「当然だ。あのパーシヴァルの畏れ、尊敬する兄だぞ。幽世ごときにやられることはない。僕達は進まなくちゃならない」
「フン…それで、我は何をすれば？」
「パーシヴァルが今は陽動と避難を始めてるぐらいだ。それに合流し、逃げてほしい。幽世の存在は僕が何とかする」
「いいだろう…」
不敵に笑うアグロヴァル。Aの顔をしばらく見ると、さらに口角を上げる。
「貴様、我の家臣にしてやろうか」
「…は？」
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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお！ありがとうございます！家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます！もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (
レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…！二人と仲良しな主人公が見たいです！ぜひ！！ご検討ください！！ (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月29日 23時
