Episode23 ページ36
更に進んでいくと、徐々に風の流れを感じる。陽動のおかげか幽世の存在も見当たらず、進んでいく。しかし、男二人を抱える腕と肩に限界が訪れ、身を隠す場所を探す。適当な扉を見つけ、中に入り込むと、目の前の光景に驚く。
「…お前ら」
紐で腕と足を縛られ、身動きの取れない男たち。みな白竜騎士団の鎧をまとっており、Aの声に顔を上げる。
「ヴェ、ヴェインさん！？」
「副団長、どうされたんですか！」
「騒ぐな。バレたら許さねぇ」
「…」
睨み付けるAの威圧感に、全員が黙る。一度二人を下すと、幽世の存在が混ざっていないことを確認して紐をほどく。楽になった団員は安堵したような表情となる。
「…聞いてもいいか？」
「は、はい！」
「ジークフリートを見なかったか？」
「見たもなにも、こんなとこに呼び出したのはジークフリートさんですよ！」
「呼ばれてここに集まったら、いきなり意識が遠のいて、目が覚めたらこうなってました」
「で、場所は？」
「おそらく、南の塔の方かと…そこへ向かう、という声が聞こえました。あそこは罪を犯した王族の部屋があるので」
「…なるほど」
場所と外見を思い出すA。窓のない塔ならば隠すのには都合がいい。ふと顔を上げると、団員達はヒソヒソと何かを話し合う。
「やっぱり、あの男は王殺しだったのか…？」
「得体のしれない男だもんな…団長や副団長と違って、混じろうともしない」
「ったく…王もどうしてあんな奴を…」
「おい」
Aの声に全員が振り返る。瞬間、Aの魔道弓が全員の顔に向けられる。
「どこの誰が裏切ったって？」
「ジ、ジークフリートだよ…！だって、そうだろ？」
「アイツが裏切り？ハッ、笑わせるな。それならこの国をイザベラから守ったのは誰だ？ウェールズの進行を阻止したのは？同盟を結んできたのは？一体誰だッ！」
「そ、それが演技だという可能性が…」
「なら聞くが、偽物だとう可能性を疑わないのか」
Aの言葉に全員が顔を伏せる。思い当たる節があるらしく、一様に口を閉ざす。
「人間は何かを信頼しあって力を生むと聞いた。だが貴様らは違うようだ。お前の信じる者はてめぇだけか？」
「そ、そんなことは…」
「ランスロットやヴェインだけか？どうせ、ウェールズってだけでパーシヴァルでさえ疑ってたんだろう」
「…」
もはや図星で言い返す言葉もなくなる団員、その目前に矢はあるのだった。
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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお！ありがとうございます！家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます！もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (
レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…！二人と仲良しな主人公が見たいです！ぜひ！！ご検討ください！！ (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月29日 23時
