Episode7 ページ8
「ん…はっ!」
「慌ただしい目覚めだなAよ」
「ミカエル…」
「随分と派手にやられたな」
「そりゃもう、天司で唯一死にかけたさ…ルシフェル様は」
「此度のことで動いておられる。わらわもそのためにここにおる。貴様は好きに動けと言っておられた」
「…なら、話をしにいく」
「やめておけ。その羽ではカナンへは行けん」
「…羽?」
自らの羽を顕現させるが、2枚しか現れない。
「…まったく、過保護だ」
「その羽はわらわたち四大天司が預かっておる。天司長の指示のみでしか返還せぬと思え」
「やれやれ…」
逃げられた、と思う反面、死ぬのを拒まれたとも考える。
「あの方の真意は…」
「知らぬ。暇ならば仕事をくれてやる。貴様はまる1年眠っておったのだ」
「い、1年!?」
「元素の使い過ぎであろう。わらわたちと違い、本来はあのお方の力を使っておるのだ」
「…カラの天司も楽じゃないなぁ」
「貴様には、以前貴様が出会った特異点のもとへとゆかせる。鳴動をさせぬためにも、貴様が導くのだ」
「それを抑え込む力もくれないのか」
「貴様ならそれぐらい容易であろう。本来元素などなくても貴様は四大天司に並ぶ力があるのだからな」
「買い被りだ…ミカエル、わざわざ来てくれてありがとう」
「ふん、貴様がおらぬと調子が狂うのでな。しばらく顕現を控える。貴様も地上では気を付けておれ」
「…わかった」
ミカエルの助言もあり、以前世話になった騎空団を探す。見つけたころには、仲間が大勢増えており、団結力もましていた。天司であることは知られぬな、という助言にあやかり羽は顕現させていない。
「っていっても、なんだか約束やぶっちまったしなぁ」
空の上から船を眺める。ルリアやビィが団長とともにはしゃぐ。操舵をする男が、年の割には鍛えられた男と話をする。魔法を操る少女と、彼女に指南する星晶獣…
(人と獣が共存しているのか…)
以前出会った女の騎士は、剣の鍛錬に励んでいる。ずいぶんと力をつけていた。
「人間は、やはいいいな。仲間…か」
ふと、色気のある魔法を操る獣と目が合う。それにつられる形で団員と目が合う。
「あ、A!」
「誰だ?ありゃあ…」
船におりたつと、真っ先にルリアがかけよる。
「も〜、どこに行ってたんですか!?心配したんですよ!」
「あれから、こいつと違う島に行くたびに伝言を残して回ったんだぜ?」
「悪かったよ。ちょっといろいろあったんだ」
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月3日 20時