検索窓
今日:13 hit、昨日:39 hit、合計:50,113 hit

Episode44 ページ45

「え…?どこ行っちゃったんですか…?」
「あ、あそこ!」

アバターへと舵を切った船の前方には、Aは浮遊していた。その羽は黒く染まっているが、Aは肩で息をしていた。

「まさか、あの一撃の軌道をずらしたのは…!」

わずかにずれた軌道のことを思い出し、Aに近づこうと船の上を走る。

「おい、戻ってこい!」
「Aさん!戻ってきてください!」
「…」

サンダルフォンとルリアの呼びかけに応答することはなく、フワフワと漂い続ける。サンダルフォンが腕を伸ばし、羽を顕現しよするが、マールートに阻まれる。

「今はこらえて!」
「離せッ!」

グランサイファーも急ぎ向かうが、突如糸が切れたかのように、羽が消失する。船は間に合わず、ハールートが全速力で追いつき、帰還をする。

「う…あれ…よかった…無事?」
「お前よりはな!…お前はなぜいつも一人で…!」
「だって…悔しいじゃん…空の…人の子ががんばってんのに…げほっげほっ…」
「もういい!今は休め…」
「大丈夫。強がりでもなく、なぜかそう思う。これは…ラファエルの力かな…?」

言葉通り、Aの傷は見る見るうちにふさがり、元通りとなる。

「…心配をさせるな」
「してくれたんだ…?」
「ク…」
「はわわ…サンダルフォンさんのお顔が、真っ赤ですよ!」
「ルリア…」
「ぐ…」

ルリアの発言にグランはサンダルフォンを伺うが、うなっただけで何も言わなかった。

「さぁ、行こう!空の世界を守るために!!」

グランの一言で全員の顔が引き締まる。

「良い風が吹いてる。このままヤツに向かって直進するぞ!」
「あぁ!次こそアイツをとっちめてやろうぜ!」
「君等も戦うというのか?その疲弊しきった身体で、黒き怪物と…」
「もちろんです!また一人でやろうとしないで下さいね?Aさんも!」
「だが…」
「君と私達の関係を考えれば、確かに複雑かもしれないが…今は、目的をともにしている。それに、お互いの力を必要としているはずだろう?」
「あたし達だって複雑だけど…今のあんたはちょっとは信じられる。それに、ここを切り抜けなきゃ全部おしまいよ!だから後で色々考えましょ!」
「さぁ、急ぎましょう。普通の星晶獣より再生が早いみたい。貴方達の与えた致命傷が無駄になるわ」
「災厄で一番の激戦区になった、アウギュステの攻防は忘れもしねぇ…あの時の根性を見せてみろ。だが今度はオレ達の隣でよ?」

Episode45→←Episode43



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月3日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。