Episode12 ページ13
(この気配…下位天司か!?いや、なんか違う…)
「あ、ちょっとAさん!」
一気に駆け上がり、地上へと出る。目の前にいたのは紫色の怪しく光る物体だった。
「くそ…コアが…」
「お前らの相手に僕が負けるか!」
黒色の剣を顕現させ、薙ぎ払う。ようやく合流した仲間とともになんとか掃討する。そのさい、カタリナが負傷してしまうが、結果的には大きな損害はなかった。そこへ、ハーヴィンの商人が現れ、小型の船で移動することになる。定員は商人、団長、ビィ、そして蒼の少女と、それの護衛としてAがつくことになった。
「…A、ルリアを頼んだぞ」
「あぁ」
船に追随する形で飛行しながら、ほかの天司の気配をうかがう。土の元素が消失している以外は、特に変わりがないように思えた。
「…ん」
気配をさぐると、突如風の元素が消失する。
「ラファエル…!」
「あ、おい!黒い姉ちゃん!」
「急ごう!もう、手遅れになる!」
「は、はい〜!」
無理やり急がせた反動か、高原の墜落するが無事に着陸する。ルリアの察知能力で森にある祠へと向かうことにする。
(ラファエル…無事でいてくれ)
「Aさん…?顔が怖いですよ」
「すまない…嫌な予感がしてな」
「最近、姉ちゃん様子が変だぜ?」
「…」
黙り込んだAに、何を聞いても無駄だと思い話しかけるのをやめる。
「わぷう!?」
「ふぎゃあ!な、なんだぁ、今度は向かい風かよ!?」
「ぷはぁ…と、とっても変な風ですね…あちこちから吹いていますよ?」
「しかも冷たかったり温かかったり…春風と北風が一緒に来たみたいだぜ」
「本当に全方位から吹いてますね〜。ということは、やっぱりこの先に…」
「あぁ、天司がいる可能性が高ぇな。この調子でがんばって前に進もうぜ!」
前に進もうと足を進めると、突如悪党に囲まれる。
「…知り合いか?」
「いや…」
「なら、切り捨てようか」
剣を顕現させた瞬間に、どこからか悲鳴が上がる。
「ここにもいたのか…逃げろ人間!」
悪党を襲っていた下位天司を一掃するが、次々と現れる敵に焦りが募る。
「く…特異点!僕の後ろへ下がれ!」
「んなっ!?」
ふと銃声が響き、草陰から男が現れる。
「操舵士か」
「待たせたな、グラン達!ずいぶん賑やかな事になってるけどよ!」
「ラカム!」
「全員下がってろ!ここは俺とグラン、Aが…」
「あ、私が先陣いきます!一度やってみたかったんです!」
「…え〜い!」
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月3日 20時