お酒は二十歳を過ぎてから ページ8
え、あと三時間後にはヤスくんに会えるということで間違いない?わざわざヤスくんが会いに来てくれるってことで間違いない?そうと決まれば、休憩なんてしていられない。約束の23時に間に合うように、いつもの倍気合を入れて働いた。
『いらっしゃいませ〜』
21時を少し過ぎたくらい。お店のドアがカラン、と音を立てて来客を知らせる。バッシングを済ませて両手いっぱいに食器類を抱えてたから、それらをいったん裏にひいて、小走りで駆け寄った。
「お疲れ〜」
『あら!大倉くんいらっしゃいませ』
「3人なんやけど、いける?」
『はーい!こちらご案内します』
背高い人だな〜って思ったら大倉くんだった。美人を2人引き連れてのご来店。
3人ともほろ酔いな感じで、二軒目っぽい雰囲気だった。4人掛けの窓側の席にご案内。
「これとこれ〜、あとこれも〜」
『決めるの早いね。笑 かしこまりました。グラスは2つでいい?』
「え〜」
『未成年はノンアルにしてください。笑』
おしぼりを持ってテーブルに行くと、さっそく注文された。
白ワインのボトルと、おつまみになるチーズの盛り合わせ、スペアリブ、ソーセージ盛り合わせ…大倉くんは未成年だから、ノンアルを注文してもらった。直接は言わないけど、1軒目は絶対お酒飲んできてると思う。お酒は二十歳を過ぎてからね。
『お待たせしました』
「コルク失敗せんでや?」
『しません。上手にできるし』
「ほんまに?手伝ったろか?」
『お構いなく。笑』
「寂しいこと言わんでや〜」
多少お酒が入っているからなのか、いつもより多めにからんでくる大倉くん。女の子の視線が痛いのであまり話しかけないでください。それぞれのグラスにワインを注いで、ごゆっくりどうぞ、と頭を下げてその場を離れた。
『お料理お持ちしました〜』
「どれも美味そうやーん♡」
『ん、どれも美味しいですよ』
「あれ?これ頼んでへんでっ」
『あ、これはサービス。美味しいから是非食べて下さい』
「えーまじで!」
ニコニコの大倉くんが立ち上がった。と、同時に覆い被さるように抱きしめられた。
「Aありがと〜♡」
『重い重い重い!!!バイト中だからっ』
普段は名前で呼ばないのに。大倉くんは重いしお姉様方の視線は痛いし、バイト中だから怒られそうだし、早く解放して欲しい。
「なにやっとんの?」
聞き覚えのある、大好きな声の主が、べりっと大倉くんを引き剥がしてくれた。
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蒼乃碧(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました!そして…完結おめでとうございます!コメントを拾って下さって本当に嬉しかったです! (2020年2月12日 21時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ゆんゆさん» ゆんゆさんコメントありがとうございます!無事完結することができました^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - みきさん» みきさん!毎回更新の度にコメントして下さってありがとうございました!わたしも最後まで更新できてうれしいです…!!!引き継ぎどうぞよろしくお願いします^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます!主人公のこと大好きなヤスくんが読めて嬉しいです!今後の作品も楽しみにしています! (2020年2月12日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます!読めるだけで嬉しいです。続きも楽しみにしています! (2020年2月3日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆ | 作成日時:2019年8月4日 0時