【小話】俺のサンタクロース�� ページ42
トイレ、お掃除なう。
七瀬ちゃんの協力もあり、ヤスくんのいるテーブル側の接客は全くしなかった。トイレ掃除終わったら帰れる〜♪
「あ、」
掃除の最中に、ドアが開けられて顔を上げる。
目線の先には、ヤスくんのテーブルにいた、赤いシャツのえげつないイケメン。
『すみません、すぐ終わらせますね！』
「…」
『あの…？』
ペコっと頭を下げて、早く終わらせるべく掃除を再開しても、その場に無言で立ったままのイケメンさん。普通、一旦トイレから出ていかない？
「自分、ヤスの女？」
『はい…？』
「ヤスの、やんな？」
洗面台の鏡を拭く手を止めて、イケメンを見る。
ヤスの、おんな？
頭の中で響く言葉の意味を理解すると、途端に顔が赤くなる。おんなって、ヤスくんの彼女？って意味だよね。うん。そ、そうだと思う。
『でっ…！です、ヤスの、ですっ///』
吃りながら答えると、ふーんと興味なさそうな返事をしつつ、ジロジロと見てくる不思議な人。気付いたら目の前まで距離を詰められていて、大きなくりくりとした目にジィッと見つめられる。
『なっなんですか…！？///』
「いや…うん、へぇ…」
『ちょ…っ！！！』
ただでさえ狭いトイレなのに、洗面台を背にして逃げ場がない。曖昧な返事をされて、何を考えているのかわからないその人は、唐突に胸元で止めてあるサンタ服のケープのボタンを外した。
「おー…♪」
『なっ、なっなにす…っ』
「ええやん」
露になった胸元を隠そうとした手を掴まれて、さらにグッと距離を詰めてくる。なんもよくない。ええくない！！！こわい、そう感じたときに、勢いよくドアが開いた。
「！渋やんっ！！！」
「おお、ヤス」
『やっヤスく…』
私を見て目を見開いたヤスくんに対して、悪びれることもなく涼しい顔のイケメン。掴まれていた手が離された瞬間、ヤスくんの元へ駆け寄った。
「ごめんなぁ…」
私を背中の後ろに隠すと、体ごと振り返ってケープのボタンを止めてくれる。ギュッと抱きしめた後、自分のジャケットを私の肩に掛けて、正面に向き直った。
「ヤス、すまん」
「いくら渋やんでも、すまんじゃ許さへん」
「…ちょっと見ただけやん」
「ほんまに反省してる！？
もう…！！！渋やんのアホ！！！」
「ションベン」
「ちょっ！はぁ！？今ぁ！？」
最後までマイペースな人は、怒るヤスくんを放置して個室のドアを閉めた。
【小話】俺のサンタクロース�ア�←【小話】俺のサンタクロース��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 636人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼乃碧(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！そして…完結おめでとうございます！コメントを拾って下さって本当に嬉しかったです！ (2020年2月12日 21時) (
レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ゆんゆさん» ゆんゆさんコメントありがとうございます！無事完結することができました^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - みきさん» みきさん！毎回更新の度にコメントして下さってありがとうございました！わたしも最後まで更新できてうれしいです…！！！引き継ぎどうぞよろしくお願いします^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます！主人公のこと大好きなヤスくんが読めて嬉しいです！今後の作品も楽しみにしています！ (2020年2月12日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！読めるだけで嬉しいです。続きも楽しみにしています！ (2020年2月3日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おゆ | 作成日時：2019年8月4日 0時
