命を繋ぐフルートと歌声〜第三楽章〜

解放〜モツside〜 ページ13

モツ「君が好きだ、アリス。」

僕は、勇気を出して、告白した。

変わりたかったから、アリスに笑って欲しかったから…！

アリスは一瞬驚いたけど、あのときのような、花が咲いたような、目一杯の笑顔を浮かべた。

アリス「私も…好きだよ！」

パリ…

え？

パリン！！！

見ると、幕が割れて、アリスが解放された。

見ると、アリスのムジーク衣装とタクトが消え、辺りも僕のムジークだけになっていた。

モツ「アリス！」

僕は、慌ててアリスを抱き抱え、着地した。

アリス「ありがとう、モツさん…」

アリスは、目に涙を浮かべながらそう言った。

モツ「どういたしまして、アリス。」

歌苗「お姉ちゃん！モツ！無事でよかった…！」

アリス「歌苗…！」

リスト「愛ね！」

ベト「無事でよかったな。」

チャイコ「やれやれ。」

バダ「何はともあれ、よかったね！」

シュー「ご無事で何よりです！」

ショパン「間一髪。」

響吾「カコ、助かってよかった…」

みんなが僕たちの周りに集まってきた。

僕は、アリスをおろした。

アリス「みんな、ありがとう。そして、ごめんなさい。」

奏助「いいってことよ！」

リスト「ポンコツは何もしてないでしょ！」←

みつる「謝るのは、私の方っす。最初に君を追い詰め、傷つけたのは私っす。すみませんっす。」

アリス「いいんです。私の方こそ、危険な事してごめんなさい、みつるさん。それに…お父様、お父様がなんで私を作ったか、ようやく分かりました。私を、家族として、迎え入れたかったからですよね？」

響吾「そうだよ。君は、僕の娘だ。コンスタンツェとして目覚めさせたのは、モツ、君がこの子を笑顔にしてくれると信じていたからだよ。」

モツ「僕が…？」

響吾「やはり、僕の目に狂いはなかったようだね。モツ、これからもカコを笑顔にしてくれるかい？」

モツ「うん。」

アリス「それで、私からみんなにプレゼントがあるの。」

モツ「プレゼント？」

奏助「って何くれるの？」

アリス「物じゃないんだけどね…喜んでもらえると嬉しいな…」

アリスはそう言うと、腕を高く上げた。

アリス「Verbindung！Leben und Music！(繋げ！あまねく命と音楽を！)」

アリスの手には銀色の星のタクトが握られていた。

そして、銀と白の布がアリスを包み込んだ。

アリスは、銀と白の星のミニドレスをまとい、背中には妖精のような羽が生えていた。

頭には、白いベールとティアラがついていた。

モツ「空の女神だ…」

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