絶望、そして、助け〜アリスside〜 ページ12
私は、タクトを振るのをやめ、自分自身を幕で覆った。
アリス「もう嫌だ…」
誰を信じたらいいのか分からない。
お父様にも拒絶されて…
みんなからの理解も得られずに…
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
私はなんでここにいるの?
どうして生きてるの?
なんでクラシカロイドなの?
私は、膝を抱えて泣いた。
アリス「ねえ、教えてよお父様…なんで私を作ったの…?」
助けて…ヴォルフィ…
モツ「アリスー!!!!!」
アリス「ヴォルフィ?!」
ヴォルフィは、私を覆っている幕を叩いた。
アリス「嫌だ…やめて!来ないで…!」
私は、怖くて拒絶した。
モツ「怖がらなくても大丈夫だよ。」
ヴォルフィは、微笑んだ。
アリス「何の用?近づかないでよ!もう……誰も……」
信じたくないの
睨んでも、彼は一切顔色を変えず、微笑んでいた。
モツ「ねえ、覚えてる?僕たちが最初に出会ったとき……」
最初の…出会い…
モツ「君は…あのとき、フルートを吹いていたよね。綺麗で、聞いていて落ち着く音色…でも、どこか懐かしく、悲しげだった。そんな君と一緒にいたくて、音羽館に連れていった。」
ヴォルフィ、いや、モツさんは、不思議な瞳をしていた。
まるで、何かを愛しく見ているような…
モツ「最初のころは、あんまり君は笑わなかった。けど、ワッ君という弟が来て、ドボちゃんも来て、歌苗の姉になって…君は、前よりすごく笑うようになった。」
彼は、私にまるで包み込むように、優しく言った。
不思議なことに、私の心に、暖かいものが広がった。
モツ「今の君は、何もかも怖がって、何も信じられなくなってる。」
アリス「それが何だっていうのよ…」
モツ「君の笑顔が欲しいんだ。」
私の…笑顔…
モツ「今の君の笑顔は、君じゃない。」
じゃあ…
アリス「何が私なのよ!」
どれが本物の私なのか、もう全く分かんないよ…
溢れてきた涙が頬を伝った。
モツ「前の君が本物の君なんだ。希望に溢れる君の笑顔がもう一度見たい。」
突然、私の頭の中に、音羽館のみんなの笑顔が浮かんだ。
みんなと大騒ぎしたこと、私のフルートと歌を誉めてもらったこと、初めて家族が出来たことの喜び…
思い出の中の私は、全部笑っていた。
モツ「きっと、響君もそれを望んで君を作ったんだよ。君に「カコ」というもうひとつの名前を与えたでしょ?」
カコ…お父様…
そうだ、私は…
モツ「君が好きだ、アリス。」
アリス「私も…好きだよ!」
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キャンドル@ムジーク - ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年3月19日 22時) (レス) id: 6ed125f96d (このIDを非表示/違反報告)
フローラルローズ - 読ませて頂きました!ワー君かわいかったし、夢主ちゃんもとても面白かったです!がんばってくださいね!応援してます! (2018年3月18日 21時) (レス) id: fcc05aa07c (このIDを非表示/違反報告)
キャンドル - キャンドル@ムジーク という名前で活動させて頂いています! ド下手ですが、宜しくお願い致します!(クラシカロイド、プリパラ、パズドラクロスの3つで、クラシカロイドメインで活動しています) (2018年3月12日 23時) (レス) id: 6ed125f96d (このIDを非表示/違反報告)
フローラルローズ - キャンドルさん» すごいですキャンドルさん!ぜひ見させて頂きます!お名前を教えて頂けますか? (2018年3月11日 14時) (レス) id: fcc05aa07c (このIDを非表示/違反報告)
キャンドル - 急で申し訳ないのですが、私、勇気を出して う、う、占ツクデビューしました!!!少し名前に手を加えていますが、興味があったら見てくださると嬉しいです!アドバイスなどあれば是非お願いします! (2018年3月11日 0時) (レス) id: 6ed125f96d (このIDを非表示/違反報告)
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