命を繋ぐフルートと歌声〜第二楽章〜

覚醒〜アリスside〜 ページ48

歌苗「ど、どういう事ですか？！」

みつる「そのままの意味っすよ。私は彼女をアルケー社に連れ戻すためにここに来たっす。」

私が、クラシカロイド……

ウソ……

モツ「君、アリスを連れてっちゃうの？！」

みつる「そのつもりっすけど…」

リスト「まさか、アリスがクラシカロイドだったなんて…」

チャイコ「ビックリだべ。」

バダ「じゃあ、何で記憶を…？」

思い出せ…

思い出すんだ私……

記憶をなくしたときの事を思い出せ！

これは私が思い出さなくちゃいけないんだ！

すると、突然頭の中であの光景がフラッシュバックした。

？「君は危険なんっす！」

………そっか……

アリス「アハハハハハ………」

歌苗「お姉ちゃん？」

モツ「アリス？」

やっと

アリス「思い出した…」

全員「え？」

その時にはもう、私の心は怒りの色で染め上げられていた。

私の周りが赤く光り始めた頃、私はいつの間にか雷のタクトを右手に持っていた。

アリス「Takedero！Meine Rache Music！(奏でろ！我が復讐の音楽！)」

私は、黒と赤のミニドレスをまとい、城の屋根の上に立っていた。

ショパン「これは…」

リスト「…ムジーク、だわ。」

みつる「ついに覚醒したようっすね。」

奏助「この曲は…？」

パッド君「モーツァルト作曲、魔笛から「夜の女王のアリア」…夜の女王は雷の力を操る事ができ、恐ろしい女性だったと言われています。このアリアは、夜の女王の復讐を表す曲となっています。」

歌苗「復讐…」

みつる「彼女の、本当の名前は……」

アリス「コンスタンツェ・モーツァルト。そうでしょう？」

モツ「コンスタンツェ……そうか、何で気づかなかったんだろ、僕……」

ベト「ヴォルフ、知っているのか……」

モツ「コンスタンツェは……僕の、妻だよ。」

歌苗「妻？！モツの奥さん？！」

パッド君「コンスタンツェ・モーツァルトは、作曲家モーツァルトの妻。オーストリアのソプラノ歌手です。作曲家ウェーバーのいとこでウェーバー家の三女として生まれました。モーツァルトが他界したあとは、再婚した夫と共にモーツァルトの伝記を作りました。」

アリス「ヴォルフェル、思い出してくれたのね。」

私の、最愛の夫…

モツ「うん。ずっと気づかなくて、先に死んじゃってごめん！」

アリス「いいの、それより、私は、あの人に、アルケー社に復讐をするの…」

私は、タクトを思い切り振った。

二体の雷獣を召喚した。

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