Lucky or unlucky 2 ? ページ8
.
『どうしたの壱馬、何かあった？』
「…いや、別に｣
帰ってくるなり不可解な行動を取り、
イライラを爆発させた俺に
同じグループのメンバーで同居人でもある
北人が部屋を覗き込みながら
不思議そうに問いかけたけど、言葉を濁した。
理由は半分俺のせいでもあるからで、
言えばメンバー達がまた騒ぐに違いないから
言えなかった。
｢何か、どっと疲れた…｣
それだけ言って、そのままベッドに突っ伏して
枕に顔を隠して黙れば、
少し離れた場所から北人の溜め息が聞こえた。
それから少しして、
『壱馬さん、ご飯出来ましたよ』
心地よく眠りについていた俺の体を揺さぶり
起こしたのは、同じく同居人の長谷川慎。
「んー、後で食うから置いといて…｣
そう言って目を閉じたまま左右に手を振り、
今は要らないとアピールすれば
慎は遠慮がちに俺から手を放して、
『北人さーん！』
『壱馬さん、後で食べるって言ってますけど』
『どうしますー？』
やけに馬鹿でかい声で
キッチンにいた北人に向かってそう叫んだ。
「……………。」
(いや、慎、絶対わざとやん)
嫌がらせのような声のボリュームに
すっかり頭が起きてしまった。
真っ暗な部屋の中でぱちっ、と目を開ければ
リビングからはメンバー達が夕食を食べながら
陽気に騒ぐ声が聞こえてきた。
｢…………｣
(俺の気も知らんと…)
ぶつぶつと愚痴を溢しながら
むくっと起き上がって乱暴に頭を掻き乱せば、
ふとカーテンから差し込む月明かりに気が付いた。
｢雨、止んだんや…｣
あれほど、どしゃ降りだったはずの雨も
どうやら通り雨だったらしい。
カーテンを掴んで外を眺めれば
すっかり日は落ちていて、
夜空に満天の星空が輝いていた。
俺がほんの少しロマンチックな気持ちに浸るなか、
｢あはははっ！｣
｢北人さん、これ、めっちゃ上手いっす｣
｢んふ、俺、ハンバーグには自信あんの！｣
｢……………。｣
(ムードも何もあったもんやないな)
こういう時、メンバー達との生活が時々嫌になる。
別に嫌いとかじゃないし、
どちらかと言えば家族みたいで
安心して過ごせる仲間だ。
だけど、やっぱりたまには一人の時間も欲しい。
｢……………。｣
(ベランダでも、行こか)
カラカラ、と窓を開けてゆっくりと外に出た。
体を伸ばして息を吐けば
どこか、すっきりした気分になった。
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
