L O V E .

Lucky or unlucky ? ページ7

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L O V E.

Story 2. Lucky or unlucky ?











何やねん、あの女！



___ガチャン…！
と、勢いよく閉められたドアの音が
余計に腹立たしくて
思わず全身がぐっと熱く熱を持つような
変な感覚が沸き上がった。



｢あんな怒らんでもええやろ…｣



確かに最初は俺達の熱心なファン。
というか、ヤバめなファンやって
勘違いしてキツイ言葉も言ってしまったけど…


それにしたって、
これ見よがしな仕返しと、
あのしてやったりなご満悦の表情が
とにかく気に入らなかった。



｢あ゛ぁっ…！｣
(何か知らんけど腹立つな)



今日は雑誌の撮影が絶好調で
すんなり終わって、


更にはスタッフさんから
美味しい差し入れなんかも沢山貰ったし
とにかく今日は運が良かった。
ただ、



『うわ、雨めっちゃ降ってるやん…』



単独の仕事だったから
ふらふらウィンドウショッピングなんかして
寄り道がてら帰ろう、なんて考えは
外に出た瞬間に簡単に裏切られた。


残念ながら、
さっさと帰った方が良さそうやな。



『すいません、ビニール傘ください』


『はい』


『あ、もしかして、これ最後の１本？』


『ああ、はい、そうですね』


『お、ラッキー』



慌てて入ったコンビニで、
適当にお菓子と飲み物、雑誌を買って
レジ横に設置された傘を指差して言えば
ラスト１本だったと知り、
また無意味にテンションが上がり気分は良くなった。


で、雨の日にも関わらず
比較的楽しい気持ちで帰ってきた所を
あの変な女にぶち壊されたって訳だ。



｢腹立つなぁ…｣



隣に住んでたのが
あんな変な女だったなんて知らなかった。
しかも、俺の事も良く分かってなくて
どこか訛りの残る標準語。
最近になって、地方から転勤してきたとか？



｢……うーわ｣
(また思い出した)



マンションの中に入るなり、
スタスタと早足でリビングを突っ切って
奥の寝室へ向かうと
ドサッとコンビニの袋を床に落として
ベッドへそのままダイブした。


さっきから、俺の頭の中は
何故かあの失礼な女の顔ばかり浮かんでくる。




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