Why 2 ? ページ49
.
｢いや、だからさぁ！｣
｢もう、今度は何なん…？｣
｢ちゃんと皺伸ばして干さなきゃ駄目だって…｣
｢あー、それ、俺のお気に入りのTシャツ…｣
クチャクチャなままハンガーにぶら下がった
洋服は俺がやったもの。
北人のやったものと比較すれば
確かにシワが少し多い気がする。
図星の悔しさからムッとした表情で俯いて、
｢いやいや、見てや、これ」
｢ちゃんとしてるやろ…？｣
｢｢いや、雑っ(雑っすね)！」｣
｢いや、声揃えて言うの腹立つな｣
言い訳も通用せず、
突っ込みを入れられた俺は
再びベッドにダイブして布団を被った。
ギュッと固く目を閉じて
何も聞こえない振りをする。
｢……。｣
(もう、全部忘れて寝るしかないやろ)
ぼんやり頭の中でそう決意して、
俺はそのままうとうと眠りについた。
｢…馬さん、おーい、壱馬さんって！｣
ようやく心地よく眠りについた俺の体を
再び揺すり起こす声がする。
｢……ん、｣
目覚めはさっきよりはマシで、
ゆっくり瞼を開ける。
するとそこに居たのは慎で、
｢いつまで寝るんですか？｣
｢今、何時…？｣
｢もう昼ですよ…｣
ガシガシと頭を掻き乱して
勢い良く起き上がれば、
慎は苦笑いを浮かべてそう言った。
いつの間にかぐっすり眠っていた事に気付き
ぼんやりと壁にある時計を見上げれば、
確かに時間は正午を過ぎていた。
｢そういや、腹減ったな…｣
すると、タイミング良くリビングから寝室まで
美味しそうな匂いが運ばれてくる。
その匂いに誘われるように
ふらふらとリビングに向かって
ようやく姿を見せた俺に、
｢壱馬、起きるの遅すぎ…｣
｢まぁ、良いけど、ご飯もう出来てるよ｣
北人が出来上がった料理を運び
樹がテーブルに箸を並べて。
既に幾つかテーブルに並んだ料理は
普段見慣れたような物では無くて、
｢広島焼き？｣
(何やこれ、めっちゃ美味そう)
何故かテーブルに並んでいたのはお好み焼き。
ではなく、綺麗に焼かれた広島焼き。
明らかにメンバー達が作ったとは思えない
その料理の出来映えの良さに言葉を失った。
すると、キッチンからは
何やら楽しそうな声が響いてきて
視線を向けた瞬間、
俺はその耳を疑った___
｢北人君、｣
｢これも運んでくれる？｣
｢ヤバッ、これ、絶対美味いやつじゃん！｣
｢…は！？｣
(何で、アイツの声がするん？)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
