I hate you. ページ29
.
(もぉ、何なの！？)
番組収録を見終わって
ぐったりしながら帰ってきたら
丁度タイミング良くエレベーターが来ていた。
慌てて走って
閉まりかけたドアに手をかけたら
そこにいたのは失礼な隣人とその仲間達だった
しまった…
と、後悔したけれど正面にいたあいつが、
『ええから』
『さっさと乗れ、って』
そう言って、
私をエレベーターに引きずり込んだのだ。
強引に掴まれた腕に鈍い痛みが伝わり、
その力の強さに体がついていかず
もつれた足元はそのまま体ごと傾いた。
正面に居たあいつの胸に軽くぶつかった肩は
瞬時に熱を帯びたように熱くなった。
チクチクと痛むのは肩じゃない
私の胸だ…
エレベーターでは気まずさから
顔を上げれなかった。
いつもは淡々と刻んで上がっていく階数も、
今日はとてもスローに感じて、
｢……………。｣
(収録の事、バレてないみたい)
ふと、そんな事を思い返し
強張っていた肩の力を抜き少しだけ安堵した。
するとようやくエレベーターが到着し、
ドアの前に居た私は慌ててその場から離れた。
｢疲れた…｣
たった数秒、
ほんとに短い間の出来事なのに
あいつとの距離が近すぎて
無駄に疲れてしまった。
苦笑いでその場からゆっくりと歩き出せば
後ろから私を呼び止める声が聞こえた。
｢ねぇ、ちょっと待って！｣
｢え…？｣
その声に軽く振り返れば今日の収録で
左端で歌っていた男の子が私の隣に並び、
｢えっと、俺の見間違いだったらすいません｣
｢今日の収録、来てましたよね…？｣
彼は恐る恐る確めるようにそう言った。
私はその瞬間、
思考回路がショートしてしまって
放心状態になった。
｢見、見えてた…？｣
(恥ずかしすぎる！)
｢あ、やっぱり来てたんだ｣
私の遠回しな回答に彼はにっこり優しく笑った
一方の私はといえば、
顔から火が出るかと思うほど恥ずかしくて。
彼が私を見たという事はとどのつまり、
例のあれを見られたという事で___
｢…………。｣
(もう、泣きそう)
がっくりと肩を落として
青ざめた表情をすれば、
彼は何故かにやりと笑うと
少しだけ顔を近づけて私に耳打ちをした。
｢壱馬のこと、好きなの？｣
｢はっ！？｣
わざとらしくゆっくりとそう言った彼。
どうやら彼は完全に、
あのメッセージボードを見て
勘違いしている様子。
あぁ、消えたい…
.
I hate you 2.→←How do you feel 4 ?
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
