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第37話 ページ37

「行くぞ。馬孫。」

「はっ」


白鳳に飛び乗り、首塚の前に
倒れている奴を見る。


「坊ちゃま、いいのでございますか?」


馬孫が言いたいことも分かる。
目線の先で倒れる女の胸はまだ
息を吸うたび動いているのだ。

…とどめを刺さずに去るなど、
俺らしくない。

だが、俺は早くこの胸糞悪い場所
から離れたかった。


「こんな貧弱な奴。いつでも殺せる。」

「さすが、坊ちゃま。」


背を向けて白鳳を走らせる。
そっと後ろを振り返り、再度
遠くなっていく女の顔を見た。

奴の胸が上下に動き、微かに唇が
動いている。

それを見て、安心している自分が
いるなんて認めたくなくて。


「ッチ」


自然に舌打ちと共に、視線を前へと向ける。


(とっても、綺麗だね。)


あの時の奴の顔が離れない。
なんなのだ、あの俺のすべてを
見透かすような顔は…

なんなのだ、俺を綺麗などと
言う奴の目は。気味が悪い。

俺は…


「…綺麗ではない。」


未だに残る、奴の温もりが鬱陶しく
感じないなんて気のせいなんだ。

『櫻井A』

俺は、その微かな熱を覚ますように
白鳳のスピードをあげた。





―葉side―

「そ、それにしても、見つからないね。」

Aが行きそうな所を探していて気が
付いたのは、おいら達って意外に
Aの事知らないんじゃないかって事。


「んー…あいつ、どこにいんだろうなぁ」


よく買い物に行く商店街―――

散歩に行く公園―――


とりあえず、行きそうな所には行ってみたが。
時間のせいもあって人っこ一人いなかった。

他に行きそうな所も思い当たらなくて、
もう1度Aのことを考える。

記憶の隅に、もしかしたらヒントが
あるかもしれんし…

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うたプリ大好き?(プロフ) - 続きも楽しみにしています! (2020年8月22日 14時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
キティさん(プロフ) - コメントありがとうございます!!そう言ってくださる方がいるなくて‥っ(TдT)ありがたやー!!すすみがナメクジですが‥頑張りますのでよろしくお願いします。 (2020年8月21日 23時) (レス) id: 0f028ec816 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2020年8月19日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キティさん | 作成日時:2020年1月24日 21時

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