目が覚める数秒前

第24話 ページ24

「．．．えっと、初めまして。
この民宿”炎”の居候兼雑用係の
桜井Aって言います。
よろしくね！...ささ！お茶だしますから、
ゆっくりしていってくださいなっ」


第一印象って大事だ。


だからこそ、思いっきり良い笑顔で
自己紹介をしたつもりなんだけど．．．


「え、あ、よ、よろしく．．．
って、ちょ！！木刀の龍踏んでる！
踏んでるぅうう！！」


…私には何も見えませんw
見たくもありませんw


ー☆ ☆ ☆ー


「へぇ…じゃあ、君も霊が見えるんだね。」

　
やっと、木刀の龍が目を覚まし、
お詫びに晩御飯を作ると言いだしたのは
ついさっきのことだ。

ご飯…作ってたんだけど。
まあ、明日の朝ごはんとお弁当の
おかずにすればいいだろう。
私はこんなことでへこたれないぞ!(グスン)

まあ、お陰様で今こうやってまったりまん太と
お話することができている。

まん太かわいいっっ
なんてコミュニケーション能力高い子なんだ!!!
私、めっちゃ会話してる!!←

…うん。しょうがないな。
さっきのことは帳消しにして
やってもいいぞ。


「うん。なんか、触ることもできる
みたいでさ。なんか、嬉しいよねｗ」

「ッえぇ！！触れるの！？」

「うん。」


すげぇ。リアクションでかいｗｗ
さすが突っ込み役だわｗｗ


元から大きい目をさらに見開いて
驚くまん太に思わずほっこりしていると


―ガラガラ．．．―


「ふぃ―．．．ただいまー」

「あ！お帰りなさーい！」

「葉君、お帰りー。」


二人で出迎えるのは初めてで、
なんだか楽しい。

そっと隣を見るとまん太もこちらを
見ていたようで、お互い笑顔を交わした。


…うん。楽しいｗ

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