拝啓、愛しの日本人。[ 終 ]

日本に来るって本当ですか。 ページ30

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A side




パクさんから手紙が届いた。
ココ最近忙しくて、遅いのが申し訳ない。



それで開けたのなら、





桜の手紙だった。


なんか嬉しくなって、
ワクワクしながら、内容を読んだのなら。





[ 近いうちに日本に行きます。
もし良ければ会いませんか。]




その言葉を見て、その文字を見て、
私の心臓は止まりかけた。


嬉しくて、だから、





あ、会えるって嬉しいって単純で。
だから困ったな、どうしよう。


よく返してくれる手紙の人と、一緒じゃなければ。





でも、普通に私、
会えるってこと。






『嬉しい、な。』




なんて呟いたのなら、
同居人のなっちゃんは首を傾げていた。


近いうちって、いつだろ。




ていうか、嬉しいけどコロナ大丈夫なのかな。






出来れば、元気なまんまで帰って欲しいし、
いやもしかしたら、お仕事で来るかも。


それなら、仕方ない、のかな？





そこら辺は分からないけど、

私は異動とかなかったわけだし。




えっと、なんて返そう。
日付さえ分かれば、なんとかなるから。


捺『なーに、会う約束？』



『うん、食べに行ったりはしないけどね？』




捺『あー、ね、でもほら、
コロナだけどお店はやってるし、』

『あーー、日本のご飯、食べて欲しいな。』




なんて思えば、どうしよう。
いつ来るのかで、手紙がすれ違いそうだから、




来るのであれば、メールの方がいいのかな。


[ 来るの待ってます。
手紙だとすれ違いそうなので、来る際は、
メールください！]



って書いた。





ドラマとかアニメとか、
そんなロマンチックな恋なんて、私にはいらない。


わかってるんだ、でも私。





顔も声も知らない、知ってるのは名前とか。







それしか知らないパクさんに、
こんな感情抱いちゃダメだってことも。


でも、嬉しくて。





どうしようも無くて。






夏なのに、春みたいな陽だまりで、
きっとパクさんは、春みたいな夏のような人かも。


どんな人なんだろう、何が好きだったっけ。






手紙のやり取りは全部手元にある。



忘れない、忘れたくない宝物で、
私のこの春からの思い出なんだ。







捺『手紙で恋に落ちたら、
私が小説にしてやんよ。』



『印税私のね。』





捺『うん、死ぬ？』



そうやって笑いあった今日も、
私の思い出。



明日が来て、早く出しに行きたい。






その次は私が韓国に行きたいな。

わがままだらけの僕でも。→←教えてくれてもいいじゃん。

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