拝啓、愛しの日本人。[ 終 ]

ねぇヌナ、聞いてください。 ページ17

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『緊急事態宣言が開始されてからも、
コロナ禍は────────……。』




楽屋に置いてあるテレビからは、
そんなニュースばかりが流れた。




月に2〜3回にしか届かない手紙。

まぁ、そんな中でも、
日本語は、勉強をしているけれど。





JM｢ハルヌナぁ、｣


HR｢なーに、｣




メイクをしてくれてるヌナ。
文通について、教えてくれた人。




ねぇヌナ。


あなたが僕に教えてくれたから、
そのせいで僕、






ちょっと最近、ダメみたいです。




JM｢手紙が早く来ないかって思うと、
なんかすぐにダメになります、僕。｣



HR｢だから、困るんだよね、文通って。｣





JM｢え？｣


HR｢なんか、恋愛みたいじゃない？
いや、例え方よくわかんないけど。


でも、なんか。

ついつい追いかけたくなって、
待ち遠しくて、待つ時間なんて過ぎればいいって、
早く手紙が来て欲しいなって。




焦らされてるなぁって思うの。

手紙を捨てずに取っておいて、
手紙が来るまで、そのお返事を眺めてたな。



なっつかーし！

私も、文通しよっかな。｣





確かに、恋に似てるようで、
そうじゃない。



手紙が待ち遠しい気持ちは、




好きな子と目が合うか合わないか、
なんて例え方したら、可笑しいかな。






まぁ、そんな感情ではないんだろうけど。

とんとんっ、と心を叩いてみた。






ただの気まぐれで、
どうせそのうち、仕事で返せなくなる。


JM｢ねぇ、ヌナ。｣



HR｢なぁに。｣






JM｢手紙って、不思議ですね。｣





感情も、気持ちも、何も見えない。
ただの文字の羅列だけなのに。




それなのに、どうしてか気になる。


なんでかな。






HR｢日本には昔、オイランがいたって言うしね、｣


JM｢おいらん？｣





その言葉に首を傾げたのなら、
どうして笑うんですか。




日本、おいらん、終わったら調べてみよう。








なんで日本人って、
字が綺麗なんだろう。



不思議で、仕方がない。

待つのは得意じゃないんだ。→←韓国人、そうじゃない。

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