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38.話 ページ38

線香花火を全部やり終えて、楽先輩と一緒に花火の後片付けをする。

…今なら移籍した理由を話してもいいかな?


A「移籍した理由、話してもいいですか?」

楽「…あぁ。」


楽先輩を見ると少し微笑んで頷いてくれた。良かった、話してもいいんだ。


A「…最初は芸能界を辞めるつもりでした。」


芸能界を辞めて、普通の学生に戻って女子高生みたいに友達といっぱい遊びたいって思ってた。

芸能人だからって感じで、クラスメイトに距離置かれるのが嫌だったし。


A「練習生の時から八乙女社長と仲悪くて、事ある度に「お前は向いてない」って言われました。」

楽「…。」

A「事務所を辞めてこれからどうしよって思いながらBプロの皆が住むマンションに行きました。

そしたらたまたま社長さんに会って、事務所に来ないかって誘ってもらったんです。」

楽「そうだったのか。」

A「はい…音楽は好きだし、どこか辞めたくない気持ちもあったからすぐ移籍を決めました。」

楽「親父に邪魔されるって思わなかったのか?」

A「確かにそれは思いました。もしかしたらBプロの皆にも迷惑がかかるかもって。

でも音楽を辞めてた方が絶対に後悔してましたし、移籍して後悔はしてません。」


TRIGGERの先輩方とはこの先共演はないだろう。そう考えたら事務所を辞めたのも少し後悔した。

練習生だったあの1年間、TRIGGERもデビューして忙しいのに練習を見てくれた優しい先輩だから。


A「たまには天先輩と龍先輩も誘ってご飯行きましょうね!」

楽「あぁ、いつでも誘え。」

A「はい!」

?1「あ、居た!」

?2「A。」


後ろを振り向くと、Bプロのメンバーと澄空さんが少し離れた所に居た。


A「花火、ありがとうございました。今度は皆でやりましょうね!」

楽「お前、気管支もダメなんだろ?大勢でやるのはお前が辛いだけだぞ。」

A「その時はマスク2枚重ねにします!」

楽「そういう事じゃないだろ。」


楽先輩は苦笑いをして私の頭を撫でた。


楽「これからも頑張れよ。応援してる。」

A「…!はい!」


楽先輩と分かれて皆の所に行く。


唯月「何か良い事でもあったの?」

A「内緒!」

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作者名:はくまい | 作成日時:2019年5月24日 3時

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