瞳子監督。 ページ19
それから、白恋中の皆とゲレンデとグランドでの練習が始まった。
朝と昼はご飯をいっぱい食べて、夜はおかわり無し。
30回しっかり噛むこと。
不意に、席を外していた監督を探しに教室を出てキャラバンへ向かった。
途中で、染岡くんとばったり。
なんか久々な感じ。
「おい、お前吹雪のことどう思う」
「どうって……」
地上最強イレブンとして見るなら、申し分無いのでは？と答えればそっか。とだけ返ってきて。エースストライカーは、という言葉を飲み込んだようで飲み込めなかった染岡くんに、生きづらそうという感情が素直に出てきた。
「簡単な事だよ染岡くん。私にとって修也くんの代わりは居ないし有り得ない。でも、それは吹雪さんを否定する理由にはなり得ないんだよ」
「それは…わかってる、わかってはいるんだ」
「染岡くんが納得するまでぶつかってみればいいんじゃないかな」
それじゃ、監督探してるからまたね、と染岡くんへ手を振ってキャラバンへ向かう。
助手席に監督が居るのを確認してから、軽くノックをして扉を開けば不思議そうな監督。
「お話いいですか？」
「え？………ええ」
長い沈黙じゃないですか。
え？本当は嫌なの？監督なのに？
こちらへどうぞ、と運転席を指定されて運転席へ腰をかける。
いいんですか、私がここで。
「で、お話とは？」
「あ、はい」
急に切り出しますね、物事の順序とか無いのかな。せっかちなのかな。
「あの、私は選手としているんですか？マネージャーとしているんですか？どちらで監督は判断されているんですか？」
遅くまで寝ていても起こされない。
かと言って、ゲレンデ練習は参加するのにグランドは参加しない。
ご飯の手伝いもしてみたり、しなかったり。
基本自由にやらせてもらっている。
本来なら、怒られる問題なのに誰にも怒られない。
皆にも、監督にも。
何も口にしない瞳子監督に、溜息をついた。
こんないい加減な私を追い出さないで、修也くんを追い出した理由がわかんない。
「なら、修也くんみたいに出ていけって言ってください」
「それは出来ないわ」
「んわ、びっくりした…」
何で？監督を見つめれば、ハッとしたように視線を逸らされた。
監督…？
「…なら、自分の意思で離れます」
「許可できないわ」
「どうしてですか」
答える気はさらさらない、そういうような監督の態度に何だか腹が立ってきた。
そして、つい、口が滑ってしまった。
「レーゼに言われたんです、逃げろって」
「え？」
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
