自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ24)

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円堂くん宅。ページ24

「え〜〜！何で呼んでくれたなかったの！」

部活が終わったことを知らせに来てくれた修也くんが、教室から戻る帰り道で。トライペガサスを円堂くん、土門くん、一之瀬さんの3人で挑戦していたことを教えてくれた。

私も応援したかった、と頬を膨らませれば補習だろ。とあやす様に頭を撫でられる。軽くため息をついて、まあいいけど。とグランドへ着けば、いつもはまだ残ってる人達が居ない。

「今日は帰るの早いんだね」
「この後円堂の家に集まるんだ」
「え？なんで？」
「一之瀬が円堂の家に行くからだよ、それで皆も来いよって」

なるほど。修也くんは急がなくていいんすか、と聞けば呆れたように。一緒に帰る約束だろう、と。
り、律儀〜〜！こういう所がどうしようもなく好きだと、毎回惚れさせる罪な男です。

「一旦帰ってフクさんに伝えないとならないし」
「あ、そっか。私フクさんにお弁当のお礼言いたい！」
「喜ぶよ」

それから、真っ直ぐ修也くんの家へ行き、フクさんへお礼を言えば嬉しそうに微笑んでくれて。行くぞ、と半ば強引に腕を引かれて円堂くんの家へ向かう。

「道わかるの？」
「大体は聞いた」

それでたどり着けるの修也くんくらいでは？
そう思って腕を引かれたまま特に話すこともなく、円堂くんのお家へ無事に辿り着いた。やっぱ、修也くん天才なのでは？

「お邪魔しまーす」

修也くんと一緒に入れば初めて会う、円堂くんのお母さん。
皆は守の部屋よ〜と朗らかに出迎えてくれて。
部屋の前を通り過ぎようとすれば、台所いっぱいに具材が拡がっていて…。修也くんの腕の裾を引けば、振り向いた修也くんに耳に手を添えて小さな声で伝える。

「私、お手伝いしてるから先行ってて」
「ん、」

階段を昇っていく後ろ姿を見送ってから、深呼吸。
大丈夫、この人はあの、サッカー馬鹿なお人好しの円堂くんのお母様。大丈夫。そう言い聞かせて、

「お邪魔じゃなければお手伝いさせてください」
「まっ！ありがとう〜！助かるわ。後で秋ちゃんも来てくれるから今日は張り切っちゃおう」

手を洗わせてもらって、何を作るの聞けばおにぎりを山ほど。後は皆で摘めるくらいのおかずを少しと柔らかい笑顔。

「もう少ししたらお米が炊けるから、そうしたら少しづつでいいから握ってくれる？」
「はいっ任せてください」

炊きたてのご飯はホカホカで熱くて、ちょっと悲鳴をあげたけれど。
木野さんが来た時ように少し冷ましておこう…。

程なくして

「お邪魔します」