自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ3)

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伝説のイナズマイレブン。ページ3

伝説のイナズマイレブンとの練習試合が出来ることになって、皆浮き足立って喜んでいた。

「いつもの河川敷に集合なんだ！放課後集合なっ」

教室で円堂くんにそう言われる。

「ごめん、今日は予定がある」
「えっそうなのか？」

うん、と頷けば少ししょんぼりしたように机に突っ伏す円堂くん。木野さんが予定があるなら残念ね、と教科書を片手に眉を下げる。
確か病院よね、と覚えていてくれたらしく仕方ないね、とフォローしてくれる。

「午後一で行くから、終わったらすぐに河川敷向かうね」
「おう！待ってる」

午後の授業を終え、ホームルームを待たずに靴箱へ向かう。
すれ違った半田くんに呼び止められ、靴箱にシューズをしまった。

「河川敷集合って聞いたか？」
「うん。伝説のイナズマイレブンとサッカーできるんだってね」

やったね、と笑えば半田くんも嬉しそうに笑った。
思い出したように、まだホームルーム残ってるぞ？と不思議そうな半田くん。用事があるんだと、つま先を慣らしては駆け出した。
また後で！と手を振る半田くんに小さく手を振り校門まで急いだ。

病院へ付けば、急いで診察券を持ってファイルと一緒に受付へ提出する。馴染みの顔になった受付のお姉さんに会釈をしたらいつもの待合室へ向かう。

「その後、何か気になるようなことは無いか。頭痛や目眩とか」

椅子に深く腰をかけた豪炎寺先生がカルテを見ていた。
特には…と宙を仰げば小さなため息が聞こえた。

「何かあればすぐに連絡を」
「はい」

今日はこれで、と問診が終わり荷物を持って立ち上がると豪炎寺先生があと、と言葉を付け足してきた。初めてのことで看護師さんの顔を見ると相も変わらず笑顔だ。

「周りに頼るといい」
「…はい！」

ありがとうございます、と頭を下げて急ぎ足で診察券とファイルを受け取り受付まで戻る。総合病院て、どうしてこう。
支払いを済ませ、病院から河川敷まで一生懸命走る。

制服は着替えるべきだったかもしれない。

河川敷へ着くと、土手にユニフォームを着たおじさん達が。
息を整えながら響木さんの名前を呼べば皆が振り向いて来た。

「おしかったな、もう終わったぞ」
「そんな〜！」

ガックリ、と膝に手をついて汗を拭う。
どっと笑いだしたおじさん達に気付いた円堂くんが元気に手を振る。
土手を滑り降りて、皆の輪の中へ入れば伝説のイナズマイレブンがいかに凄かったのかを皆が興奮して教えてくれた。

「炎の風見鶏？すごい！みたいっ！！」