【第五人格】予言師君はまだ子供〔男主〕

Consciousness ページ24

意識をはっきりと持てない。

くらくらしてぼーっとする。
この感覚が気持ち悪い。

ドクドクと溢れている血は一向に止まる気配は無く、床に広がる。

でも上がらないと、と思い、意識が朦朧としている中で、立ち上がり浴室の出口へと向かう。

しかし、それは阻まれた。

ナワーブ「おい！動くな！！イソップ！お前は早く出てエミリーを呼んでこい！
着替えとかはさせておくから！」

イソップ「わ、わかりました…！」

僕の体を咄嗟に支え、的確な指示を出す。
けれど、僕は全て断ろうとした。

A「大丈夫、ですよ…、これくらい、何とも…っ」

ナワーブ「バカかお前！！それで死んだらどうすんだよっ！！！」

A「……っ…」


貧血というものだろうか、喋ろうとしたが気持ち悪さが襲い話せなくなった。


浴室から出て、僕の体を丁寧に拭き、着替えさせてくれた。

僕は意識を失わないようにするので精一杯だった。
傷口は強く擦らないようにしてくれた。

ナワーブ様が着替えてる間は、横たわっていた。
頭は痛いし、吐き気はする。何より体がだるい。
でも、このまま目を閉じたらいけない気がした。

しばらくするとナワーブ様が戻ってきて、僕を抱っこした。

A「重く、ない、ですか…？」

ナワーブ「女かお前は。
子供なんだからそんなこというなよw」

体調が悪いんだな、と察してくだされば、背中を摩ってくれた。

まるで子供をあやすように。



そんな優しさに、つい、本音が出てしまった。



A「もう、痛いのやだよぉ…っ」

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