私、元カレと結婚しました。

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「じゃあ気に入ってくれたということで、Aはこっち。座って」

ミンソクに手を引かれて、それぞれの椅子に、向かい合って座る。
涙目の自分が恥ずかしくてAは、ミンソクの顔がうまく見れなかった。
こんな時ですら頭の片隅でこれも放送されるのに、こんなことで泣きそうなんて変だ、もっと驚かないとだめだった、とかそんな考えがグルグルと回る。


「A、こっち向いて」

黙っていたミンソクが、優しい声で話し出す。

「最初に、話しておかないといけないと思ったことがあって」

ミンソクが、指先をじっと見つめたあと、背筋を伸ばした。
大事なことを話す時のくせだ。


「俺、この家、自分で言ったんだ、作りたい部屋があるって。
そしたらもう新居決まってるって言われて、もうすっごい急いで変えてもらったの。俺寝てないよ、今週。
まあそれはいいんだけど。
あのさ、俺がなんでこの部屋にしたかったかっていうとさ、
なんか、なるべく本当みたいにしたくて。
そしたら普通に、暮らせるかなって。
自分で、家具選んだり、そういうこともまあそうだけど。
こういうこと、今いうと怒られそうだけど、
この一週間、すごかったじゃん。ファンとか、ネットとか。
まあ、Aももちろんだけど、どっちかっていうと俺の、グループの名前のせいかなって、さすがに思った。
自意識過剰じゃなくてね。
今も、A、気にしてるでしょ。
A、グループでも年上だし、そういうの考え込むタイプって感じだもんね。
でもさ、二人でいるときはそういうの忘れて、思うようにやれたらと思うよ。
こうやって家を用意したり、外を手を繋いで歩いたり、あんまり、したことなくない？
できなかったじゃん。
できなかったよ、シウミンは。
でも俺今ミンソクだし。
出来るんだからさ、今は。

そうやって、普通に、暮らしてみようよ。




.....してあげたいことがあるんだよ、俺。
いっぱいあるよ。
俺のことだけ考えてよ。
今だけ。

ふりでもいいんだ。
俺のこと、好きなふりして。
それで、出来るだけ、

一緒にいようよ」

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