3 ページ3
......わたしはだれ、ここはどこ。
わたしはいったいなにをしているの。
Aの今の気持ちは完全に監獄に入る囚人のそれだった。
あれから一週間。
光の速さで初収録の日がやってきた。
あのとき、マネージャーに告げられたとき、Aがどこか冷静だったのは、実はその前にアンケートに答えてたからだ。
ウギョルカップル候補者に配られるアンケート。
でも絶対に選ばれないと思った。
選ばれないように書いて出したのだ。
恋にも愛にも消極的な答え、そして理想の相手には空欄。
製作陣に嫌われてもよかった。
絶対に、出るもんか、と思っていた。
恋も、恋するふりも、ごめんだった。
......なのに、なぜ。
なにが引っかかったというのだ。
「......帰りたい」
Aは今、待ち合わせ場所のドアの前にいる。
おしゃれなカフェ。
おしゃれすぎて眩しい。
カフェは好きだけどここは眩しい。
さっきからこっちをチラチラ見てるミニスカのお姉さんたちの足も眩しい。
お姉さん、コーヒー溢れますよ.....。
個室の前で、ドアノブを眺める。
相手はもう中にいるらしい。
誰かはまだ知らない。
マネージャーに散々聞いたが教えてくれなかった。
唯一知ってるのは、年が近い、ということだけ。
何の役にも立たない情報....。
早く開けねば。
放送事故になる。
スタジオの人が困る。
仕事を、しなければ、。
よし。
意を決してドアノブを回す。
あ、丸い頭....。
「あの、
こんにちは、私、
.........わた、し、...........」
振り向いた。
目があった。
息が、時間が、全てが止まったかと思った。
「.......A？」
そこにいたのは、紛れもなく
3年前に別れた男だった。
丸い目をさらに丸くして、口を開けたままかたまってる男。
キム・ミンソク。
それは、Aの失くした恋の名前だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2024人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やま(プロフ) - 続きが気になってたので、更新めちゃくちゃ嬉しいです(＾▽＾) (2020年2月20日 2時) (
レス) id: d703a895c5 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - すっごく面白くて続きがめちゃくちゃ気になります！もう更新されないんですか？ (2018年7月29日 17時) (レス) id: deb211a472 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーたん(プロフ) - ここからどうなるのかすごい気になってます。更新待ってます！ (2017年4月11日 14時) (レス) id: 00423f2856 (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - 館花茶妃さん» ありがとうございます！ここからはなんとかイチャイチャさせたいと思ってます〜〜お待たせしてすみません！ (2016年11月14日 15時) (レス) id: d7566ac4dc (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - peachさん» ありがとうございます！自己満感強いのに楽しんで頂けてうれしいです！ (2016年11月14日 15時) (レス) id: d7566ac4dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はなうたこ | 作成日時：2016年9月7日 20時
