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『服、また貸してもらっちゃったね…ありがとう。』
キ「いいって。代わりに今朝飯作ってくれてんだから。こっちこそ、さんきゅーな。」
『ううん。…昨日は、誰かさんのおかげでご飯抜いちゃったもんねー。』
たまには私もちょっとイタズラみたいな事してみたくなって、"誰かさん"の部分を強調して言ってみた。
キ「それは、その、悪かったって……」
『ふふ、嘘だよ。……あ、はい、ご飯できたよ。』
キ「わ、美味そう。」
『お口に合えばいいんだけど。』
キ「大丈夫だって。絶対美味いから。」
『ふふ、キヨくんはお世辞を言うのが上手だね。』
キ「お世辞じゃねぇわ。……いただきまーす。」
『どうぞー。…私も、いただきまーす』
もぐもぐ…………
キ「……美味い」
『ホント?よかったぁ…』
キ「あ、これもお世辞じゃないからな。」
『わかってるよ。……ありがとう。』
キ「いや、別に……」
『……あれ、沢○エリカさんかな?』
キ「ちげぇわ!!」
『っふふ、あはは、ごめんごめん、嘘っ、だよ……!(笑)』
キ「お前……笑いすぎだろ。」
『あまりに面白くて……つい』
キ「ったく……」
『………いいなぁ、このまま、キヨくんと住めたらいいのに。』
ボソッと自分にしか聞こえないような声で言う。
いつか、毎日こんな日々が過ごせる時が来るのかな?
……来てほしいなぁ、なんて。
キ「……え、何か言ったか?」
不思議そうな顔でこちらを見据えるキヨくんに、私は「なんでもないよ」と笑って返した。
……ピンポーン。
不意に、キヨくん家のインターホンが鳴った。
キ「?………あ、やば、」
『え?』
『何がやばいの?』
私がそう言うと、キヨくんは目を若干逸らしながらボソリとこう言った。
キ「……今日、フジ達来る日なの忘れてた。」
申し訳なさそうに言うキヨくんに、私はクスッと笑って早く出てあげるように言った。
『私は空いてる部屋にでも居るから。というか、帰るよ。』
キ「いや、帰るまではしなくていいから!」
そして、急ぎ足で玄関へと走っていったキヨくん。
帰らなくていい。
……それって、少しは帰ってほしくないって思ってくれてるのかなとか、重い人みたいな事を思ってしまう。
空き部屋で待っていると、ガヤガヤと声が聞こえてきた。
……来たみたいだね。
このまま、大人しく待ってよう。
そう思って、体育座りをした。
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狐羽(プロフ) - おかかさん» ありがとうございます!(笑)そう言っていただけるととても嬉しい限りです! (2016年10月1日 21時) (レス) id: e6c241ef63 (このIDを非表示/違反報告)
おかか - 今私の頭の中(何この癒される(バ)カップル( ^o^)<ン“ン“ン“ン“ン“)と、なっております(笑) (2016年10月1日 20時) (レス) id: b950937163 (このIDを非表示/違反報告)
狐羽(プロフ) - 花さん» ありがとうございます…(´;ω;`) (2016年8月19日 8時) (レス) id: e6c241ef63 (このIDを非表示/違反報告)
花 - えっ。面白い(真顔) (2016年8月19日 4時) (レス) id: e5a110fb49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐羽 | 作成日時:2016年8月7日 14時