▼過去編 ページ17
僕は、ごく普通の家庭に産まれたごく普通の子供だった。
普通に遊んで、普通にご飯食べて、普通の生活をしていた。
お父さんもお母さんも優しくて、僕は幸せだなって思ってた。
他の子のお母さん達からも、僕の家庭はとても幸せそうに見えるって言われてた。
…だけど、お母さんからしたら、僕は普通の子じゃなかったみたいで。
小学校高学年ぐらいの時かな？
僕は、いつも遊んでいる男の子といつものように遊んでた。
だけど、お母さんが迎えに来て、なぜか僕の格好を見て血相を変えてこちらに歩いてきた。
「あんた！なんでこんなに泥だらけなの！？折角買った服を……馬鹿！」
パシン、と乾いた音がした。
同時に頬に痛みが走って、僕は地面に倒れ込んだ。
「なんでこんな子と遊んでるのよ！いつも、もっと女の子らしい子と遊びなさいって言ってるでしょ！？」
『…おかあさん、でも、』
「うるさい！口答えしないで頂戴！」
「……さ、帰るわよ。」
ヒリヒリと痛む頬を押さえて、お母さんに手を引かれて帰った。
その後からは、その男の子と遊ぶ事は無くなった。
でも僕は、男の子と遊ぶ事を止めなかった。
そしてその度に、叱られて叩かれた。
そんな日々を繰り返して、いつの間にか僕は小学校を卒業していた。
中学校に入った時、僕は絶句した。
今までずっと、男の子みたいな格好をしていても大丈夫だったのに、急にスカートを履かなくてはならなくなった。
どうにも落ち着かないし、何より周りの女の子と同じにされてるみたいで嫌だった。
でも、そんな僕を、お母さんは嘲笑ってた。
「ふん、これであんたも女の子らしくしてくれるわね。……はぁ、全く、あんたには、将来ちゃんとお嫁に行って子供を産んで貰うんだから。しっかりしてよね。」
そう言って、大事そうに財布にお金を仕舞っていたお母さんを見た。
そこでようやくわかった。お母さんは、自分のお金のためだけに僕を育ててきてたんだって。
それを知ってしまった僕は、心の底から腹が立った。
僕は、そんなお母さんの隠していたお金を持ち出して、遠く離れた所で一人暮らしを始めた。
……まぁ、そこからは特に何も無く平和だったんだけどね。
その時から僕は、女を捨てて男になった。
『……僕は、愛されてなかったんだ。』
そんな思いも、捨ててきたはずだったんだけど。
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狐羽(プロフ) - おかかさん» ありがとうございます！（笑）そう言っていただけるととても嬉しい限りです！ (2016年10月1日 21時) (
レス) id: e6c241ef63 (このIDを非表示/違反報告)
おかか - 今私の頭の中(何この癒される(バ)カップル( ^o^)<ン“ン“ン“ン“ン“)と、なっております(笑) (2016年10月1日 20時) (レス) id: b950937163 (このIDを非表示/違反報告)
狐羽(プロフ) - 花さん» ありがとうございます…(´；ω；｀) (2016年8月19日 8時) (レス) id: e6c241ef63 (このIDを非表示/違反報告)
花 - えっ。面白い(真顔) (2016年8月19日 4時) (レス) id: e5a110fb49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐羽 | 作成日時：2016年8月7日 14時
