１９２ side無し ページ5
薄暗いBARの中、賑やかな音だけがテレビから響き渡り、液晶に張り付く様に雄英体育祭の中継を見ている死柄木弔は「黒霧、ちゃんと録画されてるんだろうな…？」とカウンターから同じ様に中継を見ている黒霧に問い掛けた。
「ええ、アナタが撮れ撮れ言うので一週間前から録画予約してましたよ」
「なぁ、先生。Aすげぇだろ？回復キャラにも戦闘員にもなれる。逸材だと思わねぇ？」
「あ、スルーですか…」
黒霧のボヤきも虚しく、死柄木の後ろにあるテレビから『ああ、素晴らしい人材だ。それにしても応援うちわは用意しなかったのかい？』と尋ねる先生事、オール・フォー・ワンは何処か残念そうである。
「黒霧……」
「ちゃんと作ってありますよ」
「ナイスだ！！あるなら早く出せよ」
「映像もプリントアウト出来る様にしてますから、思う存分Aさんを応援して下さい」
『鉢巻と法被はどうしたんだい？』
「勿論、用意してあります」
何処からとも無くワープゲートを開き、死柄木の側にデカデカと彼女の名前をピンクの蛍光色の紙で貼り付けた応援うちわと同じく名前入りの鉢巻、そして「A命」とこれまたデカデカと背中にデザインされた法被を出した黒霧は何処か誇らしげであるが、二人はそんな彼に見向きもせずに液晶に映し出される彼女に食い付いている。
「黒霧、大事なやつ忘れてる」
「他に何を用意しろと？」
「ペンライトだ」
「ペンライト…ですか。ライブでは無い筈ですが…」
「テレビにAが映る、それだけでライブだろうが」
「くっ…！私とした事が失念していました。今直ぐに買ってきます」
そうワープゲートを使い、ペンライトを購入すべく姿を消した黒霧。
さて、彼女が此処を訪れてからそう日は経っていない。にも関わらず、何故敵連合がこんな風に彼女推し一色になってしまったかと言うと、全てはオール・フォー・ワンの一言から始まったのだ。
黒霧が彼女を送り届けている間、BARで彼女について話していた死柄木とオール・フォー・ワン。その時、オール・フォー・ワンが何気無く呟いた「彼女が居るだけで此処も少しは華やかになったと思ったんだけどねぇ…」という言葉に死柄木が今しがた別れたばかりのAに会いたくなってしまったのである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
