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赤く赤く燃ゆる、色鮮やかな炎。それを目にした瞬間、思わず立ち上がり、自然と流れ出した涙をそのままに轟から目を逸らす事が出来無かった。
轟が忌み嫌う左の力を使った。…いや、違う。出久が轟を縛る鎖をこの戦いの中で引き千切ったんだ。憎い父親の力だろうが、そんなものは関係無いとでも言う様に。
左半身に炎を纏い、笑みを浮かべる轟の姿に迷いなど無かった。
僕が轟をヒーローと言う様に、きっと轟のヒーローは出久だったのだろう。
「そっか…出久が轟のオアシスだったのか」
「何言ってんだ、テメェ」
「煩い。僕は今最高に気分が良いんだ。邪魔すんな」
涙を袖で拭うと、勝己に後ろ襟を掴まれ無理矢理椅子に座らせられるが、今はそれどころじゃない。
「A、ちょっと伏せてろ」
「はあ！？」
勝己がそう言った直後、出久と轟の個性がぶつかり合い凄まじい爆風と砂埃が一気に会場を包み込んだ。
「ｯ…！？」
「暴れんな…」
そして、爆風から僕を守る様に僕の頭を無理矢理胸板に押し付け、抱き寄せる勝己に心臓が煩く波打つ。自身を守る為では無く、勝己に手を伸ばしたくなる。
「…っ……」
今だけだから、こうして居られるのも普通に話せるのも、もう時間が迫ってるから。
好きなんて…気付かなきゃ良かった。ゆっくりと離れる勝己に「…ごめん」と小さく、とてもか細い声が漏れた。
聞こえなくて良い、知らなくて良い。ただ、僕が…
「…何か言ったか」
「何も言ってないよ」
言わなきゃ彼処側へ行けないから、言うんだ。
激闘の試合は出久が衝撃に耐えられず場外へと叩き付けられた事で、轟が勝利したのだった。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
