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観客席に戻ると透ちゃんが「お帰り！」と両手を広げて迎えてくれた。それに応える様に透ちゃんに抱き着いて「みっともない試合だったよね」と苦笑いを浮かべると透ちゃんは「そんな事無いよ！Aちゃん、凄かったよ！まだ耳がキンキンするし」と笑っている。
「あー…ごめん。皆も耳大丈夫…？」
そう他のクラスメートに聞けば、百ちゃんは「対策はバッチリですわ」と耳栓を見せてくれたので、一先ずは安心する。
「あれ？切島とB組の人の試合は？」
「引き分けで後で腕相撲するんだってさー」
「へぇ…」
席に着いてこれから行われるお茶子ちゃんと勝己の試合を観戦しようとすると「爆豪の試合は寝ねぇの？」と範太が言ってきた。
お茶子ちゃんには悪いが、お茶子ちゃんが勝己を倒せるとは思っていない。個性的にも能力的にも勝己の方に明らかに分がある。
ある意味、勝己は男女平等だ。男だろうが女だろうが向かってくる相手には容赦が無い。勝負事に関して手心を加えるなんてもっと有り得ない。
侮りを捨て、真剣に向き合う。そして…堂々と正面から勝利をぶん取る。そういう人間だから。
だからこそ、僕も勝己を侮れないんだ。これまで勝己に負けた事は一度も無い。だけど、圧勝していた訳じゃない。
持久戦ならスロースターターの勝己の方が僕より優位だ。時間が経つにつれて集中を切らせてしまう僕は大体短期決戦で片を付ける。
「勝己対策を考えないといけないし？」
「対策って…幼馴染みなんだから癖とか知ってんじゃねぇの？」
「よく知ってるよ。…互いに」
そう、僕が勝己を知る様に勝己もまた僕を知っている。だから、今まで通りが通用するとは思っていない。
もう僕達は子供じゃないから腕力なら勝己には適わないだろう。だからこそ、互いに考える。相手の癖、個性の使い方、次にどう動くのか、勝己なら、僕ならこう考えるだろうと何度も試行錯誤を重ねて、ぶつかってきた。
きっと、この先もそれは変わらないと思う。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
