【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、49人目 ページ49

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彼に抱かれながら私は
言われた通りに目を閉じた。
きっと疲れていたのだろう。

いつの間にか本当に寝てしまっていて

次に目が覚めた時
そこは見覚えのある天井だった。



「…ここは」



万事屋の銀時の部屋で
いつの間にか普段の着物の私は
いつもの布団で横になっていた。

起き上がり、窓を見ると外はもう夜中で
窓に映る自分の顔が見えた。
そっと、顔に触れてみるとやはり
化粧も落とされていることに気付く。

一体誰がやったのだろう。
少しだけ疑問に思ったけれど
その疑問について考えるより先に
部屋の襖が開く音が響いた。



「よう、目ェ覚めた見てぇだな」


「…銀時」



部屋に入ってきたのは銀時で
今から寝ようとでも思っていたのか
いつもパジャマ代わりに着ている
青色の甚平姿だった。

彼は私の隣に座ると頭に手を乗せながら
「調子はどうだ?」と問い掛けてきた。



「大丈夫。…着替えとかって誰が?」


「ぱっつぁんのねーちゃんに居合わせてな
着替えとかお前の看病してもらってた」


「ああ、お妙さん。今度お礼しないと…」



お妙さんの事を考えながら
それでも割り込むように浮かぶのは
全く別の人物の事だった。

彼は、沖田くんは私をここに運んで
すぐに帰ってしまったのだろうか。

そもそも、何で彼は私の居場所に気付けて
そして私の事を連れ出してくれたのだろう。



「あー、そうそう。沖田くん来てるよ
来てるっつーかお前をここに連れてきて
暫く、看病の手伝いした後に
向こうのソファで寝ちまったんだけど」


「えっ!?」



その言葉に、閉まっている襖を見る。
じゃあ、この向こうに沖田くんが居る?

どうしよう。

何が、何がどうしよう?


彼が近くに居ると思うだけで

私の心臓は一気に加速した。


ああ、どうしよう。



私が、可笑しい。



「おっかしいなー…一応、炊いといたんだけど」


「え?」


「沖田くんから事情聞いて
月…知り合いから直々に借りた解毒香」



銀時の目線の先を見る。
そこには確かに器に置かれた
解毒香と思われるお香の残骸があった。

…じゃあ、私のお香の効果は切れている?


なら、何でこんなに心臓が早く動くの?



「へぇ、さてはアレだな?
沖田くんに助けられてキュンと来ちゃった?」


「げ、解毒が効いてないだけだよ」


「ふーん…ま、一応もう一つ焚いとくか」


「…うん」



そう、だよね?



…なにかは分からない。
けれど、私の中の何かが



その言葉を認める事を許せなかった。

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