【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、14人目 ページ14

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ー貴女side



可愛い仕草に、あざとい表情に
万人受けするような性格に、行動。
そして、言い飽きた台詞。

可愛く見られようとしてるんじゃなくて
世間的には"これ"が可愛いのを知ってる。
私は産まれた時からずっと
そう言う世界を見てきたから、知ってる。

誰かを好きになるのではなく
誰でも好きになる事を、覚えた。
私は、この生き方しか知らない。

否、この生き方で満足している。



「それじゃあ、また明日。…十四郎さん」



乱れた服を整えてもう既に布団で
寝息を立てる彼にそう言うと私は部屋を出た。

鬼の副長と呼ばれる人物も
心の中に入り込んでしまえば
いとも簡単に落とせてしまう。

なんて単純明快な世界だろう。


沖田くんの所には寄らずに
屯所を出る。…もう月の位置は高い。

万事屋に帰ろうか。帰りたくない気分だなぁ



「…あれ?」



懐にいつもしまっている
髪飾りを取り出そうとして
髪飾りが無い事に今になって気づく。

どこで、落としたのだろう。


町で落としたのなら善人なら
真選組に届け出るだろう。

帰り道を探しながら、万事屋に帰ろう。
明日、真選組でも探せばいい。

何としても見つけなければいけない。

あれは、…大切な物だから。



「お嬢さん、そこのお嬢さん」



歩き出してすぐ、後ろから聞こえる声に
振り向くとそこには笑顔の男性の姿。

夜風に揺れる男にしては珍しい三つ編みに
黒と白のチャイナ服が差した傘の奥で
影をつけて、何とも不気味だった。



「…?…あぁ、貴方ですか、…神威。
…こっちの星に居るだなんて珍しいですね」



その不気味な雰囲気の彼の名は、神威。


私は…神威の事を知っている。

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