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第六十五幕 ページ19

「なぁああああ!!ソラの分からず屋!!
どうして私は行っちゃダメなの!?」

「無い胸に手を当て考えてみろ。
また、ドブネズミのような妖怪に襲われたいのか。
その前に儂がお前の四肢を喰らって身動きせんようにしてやろうか?」

「あー!出た。
そーゆーお決まり文句ね!
ソラはいつもそうやって脅すんだから。
私も団員なんだから行くに決まってんじゃん!!
てか私は成長期なの!!」

「分からず屋はどっちだ!
この儂が心配してやっているのに…昨日の二の舞にはなりたくはないだろう!?
儂は認めん!!」

飛び交う二人の罵詈雑言。

その言葉はさらに過激なものへとエスカレートし、放送禁止用語が連発された。

とても人様には見せられないような二人のやりとりに周りは冷やかな視線を送る。
耳を塞いでも響く罵声と取っ組み合いの喧嘩を始めたことに氷麗は限界を感じていた。

「もう二人ともおやめなさい!!
フゥーー!!」

忽ち部屋に凍てついた風が吹き通り、皆は慌てて避ける。
Aとソラも上手く躱して、漸く落ち着きを取り戻した。

「てめぇ…何しやがる(アマ)…。」

ソラの苛立ちは氷麗に標的を変えた。
しかし、彼女は動揺を見せるどころか堂々とした態度で彼らにはっきりと言った。

「あなた達が暴れるとホンット、誰も手がつけられないんだから。
今から不快な言葉を言った者から一日中氷漬けの刑に処します。「いや、私すぐ召されるってば」それに、リクオ様も風邪で寝込んでらっしゃるのですから騒がずに。」

それを言われてしまえば、Aは何も言えなくなってしまう。

そもそも、なぜ彼らが冒頭から口喧嘩を始めたのか。

それは、ゆらを除いた清十字団がリクオのお見舞いに来たのが事の始まりだった。

ここまでの過程に、風呂上がりの姿を見られ同棲していたことがあっさりバレたとか。

新顔である巻沙織、鳥居夏実と波長が合うのか、実は凄く気が合ったとか。

そのせいでリクオが更に困る立場になって、体温が二度くらい上がったとか。

些細な話置いておいて。
とにかく、週末から始まるゴールデンウィークに清十字団初の合宿が決定されたのだ。
場所は清継の別荘もあるという捩目山だ。

もちろん、Aは大はしゃぎ。
年中お祭り気分である彼女が合宿に参加しないわけがない。
だが、それを一早く嗅ぎつけたソラは合宿の参加を阻止しようとする。

それは、怪我を負った彼女の身を案じてのことだが口論が収まる気配は無く、今に至るのだ。

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桃子(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです!!忙しいと思いますが更新頑張ってください! (2021年5月15日 22時) (レス) id: f758fcdb57 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - とっても面白いです!色々忙がしいと思いますが、更新頑張って下さい!p(^-^)q (2020年8月6日 10時) (レス) id: 0b4aa008b9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます!とても励みになります( ;∀;)ノロマ更新ですが気長にお待ちいただければ幸いです。今日の夜に更新しますね! (2020年6月23日 12時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモンティー | 作成日時:2020年5月28日 19時

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