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第六十三幕 熱を出す ページ17

あれからどれくらい眠ってしまったのだろう。

「ん……リクオ…?」

朝帰りだからか、身体が重だるい。
まだ怪我の痛みが鈍く、ジンジンと広がる。

まだ眠いと二度寝しようとする脳を無理矢理覚醒させ身体を起こす。
ソラはまだ眠っていた。

(布団掛けてなかったのに、誰だろう…)

Aとソラには布団が掛かっていた。
恐らくリクオの母親である若菜あたりだろうとAは推測する。

しかし、いつもならリクオが彼女を起こしに来る。
それが今日はなく、不思議に思っていると今が何時なのかを確かめるために時計を見る。

「…やっば、学校遅刻じゃん。」



現在の時刻は、午後十五時であった。


・・・

朝露に濡れて身体が冷えていたため、先に大浴場に入ることにした。
というより、昨夜は風呂に入らず体臭がきつかったのではやく清潔にしたいというのが本音だ。

気分もさっぱりしたので、台所から何か食べ物を貰おうと寄ると、台所から毛倡妓が水と布が入った桶を運び出てきた。

相変わらず、彼女は働き者だ。

「あら、Aじゃない。
やっと起きたのね。このお寝坊さん。
ちゃんと布団をかけて寝ないと風邪引くわよ」

「あれは毛倡妓だったのね…。
お腹すいたから何かもらおうと思ったけど…それどうしたの?」

「ああ実は若がね…」

どうやらリクオが風邪を引いてしまったらしい。
だから朝起こしに来なかったのかと合点がいく。

とすると、必然的に学校も欠席していることになるだろう。

(風邪を引いてるのか…)

私は台所に立つ若菜さんに声かけ、少しの間に借りることを伝えた。

・・・

ガラッ

「リクオ〜…起きてる?」

襖をそっと開けてできるだけ声を抑える。
中を覗くと額にタオルを乗せてぐったりとしているリクオと苦虫を噛み潰したような表情の鴆。
先ほど廊下であった毛倡妓が座っていた。

「やー鴆!お久しぶり〜。
家の修理は順調?」

「チッ、一気に気分が最悪だぜ…。」

二人を割って入り、私はリクオの隣に座る。

「姉ちゃん…怪我…大丈夫?」

「私の心配より自分の心配しなさい。
リクオに良い物をつくってきたよ!」

私はお盆にあった器を持ってリクオに差し出す。
毛倡妓と鴆は横からその器の中身を見る。

「あら?これは卵酒かしら?」

「…意外にも美味そうじゃねぇか。
つうか、リクオは薬を飲んだばかりだ。
今はやめとけ。」

「え、そうなの!?」

出来立てが飲めず残念に思うも、リクオは上半身を起こし出した。

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桃子(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです!!忙しいと思いますが更新頑張ってください! (2021年5月15日 22時) (レス) id: f758fcdb57 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - とっても面白いです!色々忙がしいと思いますが、更新頑張って下さい!p(^-^)q (2020年8月6日 10時) (レス) id: 0b4aa008b9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます!とても励みになります( ;∀;)ノロマ更新ですが気長にお待ちいただければ幸いです。今日の夜に更新しますね! (2020年6月23日 12時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモンティー | 作成日時:2020年5月28日 19時

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