【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】 (ページ23)

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～File1～旧校舎怪談22 ページ23

「そんで？そこで大口開けて笑ってる嬢ちゃんとお淑やかに笑ってる嬢ちゃんは？」

言われて、麻衣はムスッとした顔をしながら

「あたしは善良なる一女生徒です。単に荷物運びに雇われただけで」

『同じくです』

「へえ？＿＿で、坊やは？」

ぼーさんはナルちゃんを見る。ナルちゃんはノートパソコンを見降ろしたまま

「校長からお聞きでは？僕の歳まで御存じのようですから」

素っ気なくそう言う。声も態度も、お前たちにはまったく興味がない、と言っている

「まあ、聞いてはいるが。＿＿渋谷に事務所を構える心霊調査の専門家」

「補足することはありませんね」

ぼーさんは、にやりと笑う

「一等地に事務所を構えているくらいだ、信用できるだろうと思ったのに、所長があんな子供だなんて詐欺だ、と校長が言ってたぜ？」

「そうですか」

ナルちゃんはあくまでも素っ気なかった
こっちに来てからそう言われることは少なくなかったんだろうな

綾子さんはでっかい態度で車に凭れ

「校長か…。いかにも小心そうな親父だったわよねえ。この程度の事件にこれだけの人手を駆り集めちゃって。子供の霊能者に、あたしとあんた…」

言って、綾子さんはにっこりと毒のある笑いを浮かべる

「誰か一人で良かったのに」

ぼーさんも嗤う

「＿＿そう、俺だけで良かったんだ」

黙殺を決め込むナルちゃんと、睨み合うぼーさんと綾子さん
なんなのこの険悪なムード、やんなっちゃう
綾子さんは、ふっと小馬鹿にするように笑い、ナルちゃんを振り返った

「ところで坊や、名前を訊いてもいいかしら？」

「渋谷一也といいますが」

「渋谷…知らないわねえ」

綾子さんが言うと、ぼーさんもあっさり同意する

「聞いたことがないな。三流だろ」

「言っておくけど、あたし、滝川なんてのも聞いたことがないのよねえ」

「そりゃ勉強が足りないねえ。実は俺も、松崎ナントカなんてのは聞いたことがないんだよなあ」

不毛すぎる…私からすれば二人ともキチンとした霊能者だからなんとも言えないな、真価を発揮する時はまだ遠い話だろうけど…だって、ここには何もいないし

ボーッとそんなことを考えていると、綾子さんとぼーさんは、さっきのを契機に本格的に口喧嘩を始めてしまうし、ナルちゃんは我関せずという感じでパソコンを弄っているし、やれやれと思って麻衣とまた眼を見合わせたところ、麻衣が私越しに何かを見つけたっぽい

ふと後ろを見ると、わ。黒田女史だ