【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】 (ページ22)

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～File1～旧校舎怪談21 ページ22

綾子さんは男を睨み、ナルちゃんを居丈高に見返す

「ああら、そう見えない？」

「少なくとも、乙女と言うにはお歳を召されすぎだと思いますが」

ナルちゃんが言ったとたん、男のほうがついに笑い声を上げた

綾子さんは忌々しそうに口許を歪めたが、言い返すことはできなかったようだ

綾子さんは二十と半分前後かな
そら、十代の男の子に「お歳を召されすぎ」と言われたら、返す言葉はなかろうて

しかも、

「そのうえ、清純と言うには化粧が濃い」

連れのぼーさんにまで言われ、綾子さんはぼーさんに怒鳴る

「もとがいいから、そう見えるだけよ！」

そう声を上げて、綾子さんは引きつった笑みをナルちゃんに向けた

「……とにかく。子供の遊びはここまでよ。あとはあたしに任せなさい」

言って綾子さんは、皮肉っぽくナルちゃんを見降ろす

「校長は、あんたじゃ頼りないんですってよ。いくらなんでも十七かそこらじゃねえ」

あーあ、校長ってばナルちゃんじゃ頼りないと思って他の人を雇ったんですねー
分かりやすいタヌキだこと

ナルちゃんは微かに笑いを浮かべる

その眼は思いっきり冷たい

「お手並みを拝見しましょう。＿＿大先輩のようですから」

うっわ、「大」を強調したなあ
綾子さんは、大人気もなくぷいと顔を背けた
その横顔に軽蔑も露わな一瞥をしてから、ナルちゃんは闇色の眼をぼーさんに向けた

「それで、あなたは？松崎さんの助手というわけではなさそうですが」

ぼーさんはにっと笑う
大人気ない、どことなく邪気のある笑みだ
そんな笑顔も素敵だと思うよ、うん

「俺は高野山の坊主だな。滝川法生ってもんだ」

「へえ？高野山では長髪が解禁になったんですか？」

ナルちゃんに訊かれ、ぼーさんは言葉に詰まる
確かに、お坊さんといえば漫画の世界じゃともかく、普通は文字通り坊主頭だもんなぁ
ぼーさんといえば、頭髪があるだけじゃなく、茶色っぽく染めたうえに伸ばしたそれをご丁寧に括っている

綾子さんか細い煙草に火を点けて、煙をぼーさんに向けて吹いた
うわ、煙たそう、やだなぁもう

「……破戒僧」

決まり悪げにしたぼーさんは、もごっと

「高野山にいたのは本当だって。……まあ、今は山を降りてるけど」

でかい身体を心なしか小さくしたのが妙に可愛くて、私は麻衣と眼を合わせ、笑ってしまった

笑ったところで、ぼーさんがこちらを見やる