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立ち入る ページ6

…ここか。

「ここから鬱蒼としてるわね、ここで間違いなさそう。…行きましょう。」

言われなくたってわかってるぜ。

早くお目にかかりたい。

森…蝶の楽園に入ると、草の色が変わった。

隔離されてんのか…?

「ねぇ、あれ…!」

Aが指差す先を見ると、色んな色の蝶がたくさん飛んでいた。

そいつらはみんな輪郭がはっきりしてなくて、きらきらしてた。

本物ではない“生きた結晶”の証。

「いよいよってことだな。…いるといいんだがな…。」

すると、後ろから、声が聞こえた。

「タイヘン、タイヘン、ニンゲンが来たよ。」

…?

俺たちの声ではない。

男だが幼い。

振り向くと、黄緑色の髪と目のガキがいた。

周りにはそいつと同じ色の蝶。

そいつは俺たちと違って宙に浮いてたから、人間じゃないんだろう。

「あなたは…?」

ガキは笑っていない。

不思議そうに俺たちを見ている。

「ボクはヒユリ。“蝶の楽園”にようこそ。ボクたちを生んだニンゲンはカンゲイしなくちゃ。」

そう言ってるが…。

「俺たちを歓迎する気あんのかよ。…それにしては、なんか物騒なもの持ってるな。」

「ばれた…?」

ばればれだわ。

そいつ…ヒユリ、は後ろに組んでいた右手を出す。

握っているのは大昔に狩猟に使われていたという大きな槍。

先端は金属で、尖っている。

当たれば…。

思わず首元をさすった。

「ココに眠る蝶たちは、ニンゲンに見放されたカワイソウなコたち。もしかして、キミたちは“採集家”なのかな?」

「そうよ。」

「なら…キミたちが逃がしたコたちも、いるかもね。せっかく生まれた蝶たちを見捨てるなんて許せない。ボクは嬉しいよ。キミたちのお墓がココになること!見放された蝶たちのキモチを考えてあげるいいキカイになると思うんだ…!」

はっ…。

気持ち悪い…。

「ということは…これからあなたは私たちを殺すのね。」

「うん。あぁ、でも、キミたち採集家なら、蝶、持ってるよね?」

「あぁ。」

「それ使ってテイコウしてもいいよ?」

ガキのくせに調子のってんなぁこいつ。

「抵抗する気しかないけどな。A、魔法、いけるか?」

「大丈夫よ。悪いけど…後方支援に回らせてもらうわ。」

「了解。じゃ、ここは俺に任せな。」

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作者名:円香 | 作成日時:2018年8月7日 16時

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