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助ける ページ16

「おい、大丈夫かよ…どういうことだ…?」

俺の手を支えに立ち上がったAはほこりをはらってため息をついた。

「エリス、私のマスターキーは持っている?」

あ…。

「おらよ。てか、なんで知ってるんだお前…。」

鍵をしまいながら話す。

顔は笑っていなかった。

「さっきとトランプと同じ仕組みよ。あなたと私がいた部屋は連動していたの。何もないところから炎や水柱が出なかった?」

あ、あれ…!

「お前だったのかよ!!」

「私と、レイダーテ。…そういえば彼女は?」

辺りを見渡してもやつはいない…。

逃げたか…?

「まぁ、形はどうあれ、合流できてよかったわね。…扉があるわ、出ましょう。」

あれ、さっきまであったっけか…?

「空間を歪めて…?」

「何か言った?」

あまりにも恐ろしいことだ…。

「いや、何も。ほら、行くぞ。」



「ねぇ、エリス。レイダーテはこの空間をどうやって作っているのかしら…。」

…。

恐ろしい、が…。

「レイダーテの灰色の蝶、たぶんあいつには空間をねじ曲げる効果がある。だから突然二手に分かれたり、さっきまでなかったはずの扉があったりするんだよ…。」

「…え。」

これ以上に怖いことはないんじゃないか。

「あら?よく分かったわね。この蝶の能力を。」

…!!!

後ろから、なんなら耳元で、声が聞こえた。

「レイ、ダーテ…!!」

「な、どこから…!?」

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作者名:円香 | 作成日時:2018年8月7日 16時

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