避ける ページ14
「なんだ、ここ…?」
急に周りの空気が開けた。
よく見れば部屋の端にいくつか燭台がある。
少し広い場所に出たのか…?
その途端。
まるで蝶が舞うように___いや本当に蝶の力を使ったかもしれないが___炎が灯った。
「は、はぁ…!?」
いや、こんな程度で驚いてたら、とっくに死んでるよな…。
その後特に何もなかったから、その部屋をちょっとうろついた。
見たことのある鍵が落ちていた。
…どこで見たんだったかな…。
記憶を漁ると、すぐに思い出せた。
「…宿の部屋の鍵…。」
ついこの間訪れたAの宿の鍵のはずだ。
なんでこんなとこに…?
俺が使ってた部屋の鍵はチェックアウトの時返したしな…。
…まさか。
「Aのマスターキー…?」
支配人がどの部屋の鍵も開けられるマスターキーを持っているのは自然だ。
じゃあなんでマスターキーがここに落ちてるんだよ…。
鍵を見つめて考えているとき。
「…!?」
後ろに水柱が立った。
青い蝶…術か…!
「誰かいるのか!?レイダーテ、お前か!?」
返事がない…。
どういうつもりだよ…。
その後、術の炎が舞った。
「はぁ!?意味わかんねぇよ!」
とっさに避けたから無事だったけど、俺があの場から動かなかったら今ごろ黒こげだぜ…。
意味の分からない攻撃に、いつの間にか壁を殴りつけていた。
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作者名:円香 | 作成日時:2018年8月7日 16時