彼氏欲しいとは言ったけどさあ【夏油傑】【呪術廻戦】

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「おはよう。」




「お、はよう。」







次の日、朝イチで夏油くんに挨拶をされて
固まった。途端に昨夜の事を思い出して、
どんな顔をして話せばいいかわからなくなった。






「A、報告書次私なんだけど忘れていたよね、
別の報告書先に書いておいたから後で持ってきてほしいな。」






「わ、わかった。」







狼狽える私をみて彼は満足気に微笑んだ。
昨日の出来事を知るのは私と彼しかいない。






早く話を終わらせたい。余裕がなくて
適当に頷いてくるりと踵を返すと
「ちょっと待って、」と強い力で腕を引っ張られた。







「な、なにっ、」






「まつ毛にゴミがついてる。」






無理やり彼の方を向かされて背丈に合わせるように
上を向いた。目が合うと艶めかしく笑って顔をゆっくりと近付けてくる。








「ちょ、ちかっ、」





「取れないからじっとしてて、」












絶対面白がってる！！


あたふたする私をみてにやにやする彼。
そんなに近づかなくても取れるだろって
くらい近づく端正な顔。
手の内で転がされているようで悔しいけど
気づかないうちに腰に添えられた手。



逃げ場のない私はどうすることもできない。








「とれたよ、」






「どうもっ、...」









人差し指の爪をふっと吹いて飛ばす仕草をした
夏油くん。けど、ほこりなんて1ミリも落ちない。









「ほこりだと思ったら光が反射してるだけだった、
はは、すまないね。......少し近づいただけで
あんなに真っ赤になって。」




　

「かわいい。」






「っ、！！」






めちゃくちゃに攻めてくるじゃないかこの男。
恋愛経験の少ない私は未だに心臓が高鳴って仕方がない。





覚悟する、ってそういうことだったのか、
やっとその意味を理解して、同時に後悔した。










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