厳選厨が通ります５【ポケモン】

それを、英雄と呼ぶ ページ37

……とおい昔、英雄にまつわる本を読んだ事がある。


「かあさん！この絵本読んで！！」

「うふふ。ヒュウってば、またその本を読みたいの？」

「うん！だってえいゆうがカッケェんだもん！」


英雄伝説を幼児向けにまとめた絵本。俺はその本が大好きだった。あの伝説のポケモンを従え、イッシュの危機を救っていくという物語に胸を躍らせていたから。

ヒーローとは、またひと味違う。神々しくて神聖で……選ばれた人間がなれる存在。俺とは縁遠いものだと思っていた。


「なぁ、かあさん。えいゆうってどんな人なんだろうな」

「そうねぇ…」



男なのか、女なのか。
背は高いのか、低いのか。
髪は長いのか、短いのか。
強いポケモンを従えているのか、それともポケモンを従えていないのか。

絵本の中に描かれている"英雄"は、どんな姿をしているのだろう



「ヒュウは…どんな人だと思う？」

「おれは！男で背が高くて強くて！カッケェやつだと思う！！！」

「ふふっ、そうかもね」

「どうなんだろうな！会いてぇな！！むりだろうけど、えいゆうに会ってみてぇ！」

「……そうねぇ…でも、もしかしたら……
案外その英雄さんは、ヒュウの近くにいるかもしれないわよ？」

と、冗談交じりに母は笑っていた。


ーーー


ーー


ー



………なぁ、母さん。嘘だって思うかもしれねぇけど聞いてくれ。

英雄は…本当に俺の近くに居たんだ。


昔言ってたような…背の高い男では無かったけど。


確かに、強いポケモンを従えていた。ただ強いんじゃなくて…トレーナーと一緒に強くなれたポケモンでさ。

あの伝説のポケモンだって、そいつの味方なんだ。そいつの思いに応えてさ、神話の通りレシラムが力を貸してくれているんだ。

あとさ……どれだけ敵がいても、絶対負けないんだぜ。強くて賢くて、その上ポケモンが大好きで………



バトルしてる時が一番、カッケェ目をしてるんだ。

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