厳選厨が通ります５【ポケモン】

主のために ページ33

「まずはそいつから蹴散らしなさい！レシラム！！！」

「キュオオオｯｯｯ…！！！」


『ワンパチ！！！！！逃げて！！！』



まともに食らったら瀕死じゃ済まない……
早く…！戻ってきて…！お願い…


必死に叫ぶが、私にはどうする事も出来なかった。自分のポケモンがやられる所を、ただ呆然と見ているしか無いのか。

自分の無力さに涙さえも出てくる。




……それでもワンパチを助けたい、レシラムを止めようと走り出した瞬間……ふと、足元に小さな石が落ちてきた。


どこか見覚えのある石。確かポケモンに持たせる道具の1つ……"かわらずの石"とよく似ていた。


『……なん、で？』


突如、青白い光が頭上から放たれる。そしてワンパチ自身が凄まじい電撃を纏っていた。


……あの技は、"スパーク"？いやそれよりも威力が高い。



『………(そういえば、ずっと思ってた)』



なんで、ワンパチは進化しないんだろうと。全国図鑑で確認した時に、ワンパチは進化できるポケモンだと知った。バトルでは結構な頻度で活躍していたから…レベル上げの他に別の進化条件があるものだと思っていたのだ

じゃあ。何かの拍子に、ワンパチが"かわらずの石"を持っていたとして。ボールを拾うために石を投げ捨てたのだとしたら……



『……進化が…！』

「なにっ！？」



犬の遠吠えのような声が聞こえる。

すると電撃を纏ったまま……素早く私の元へ帰ってきた。


間一髪ではあったが……レシラムの攻撃を避けられた。あのクロスフレイムを躱すほどのスピード。スパークとは比にならない



『……ワンパチ…？』

「ワフッ♪」


ワンパチの頃より随分大きくなった身体。鳴き声も低くなっている。だけど人懐っこい笑みは変わらず、尻尾を振って嬉しそうにボールを渡してくれた


『…よかった…！無事で…！！ありがとう！』

「ワフッ！」



進化系のパルスワン。電気の力で脚力を増強させ、そのトップスピードは時速90キロを超えるとも図鑑に書いてある。
あの状況でレシラムの攻撃を避けられたのも、進化のおかげだったんだ。

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