☆ｻﾝｼﾞｭｳﾛｸ ページ37
【side.A】
大先生を待つこと数分。
押し寄せては引いていく美しい波を見つめているとふと後ろから足音が聞こえてきた。
ちらっと顔だけそっちを向くと。
『大輝！』
端正な顔立ちの彼がそこにいた。
ut「待たせて悪かったな…」
申し訳なさそうに眉をひそめて言う彼を見て、私はブンブンと首を振った。
『大丈夫やで。海見てたから』
大先生が私の隣に腰掛けるのをみて、また海に目を戻す。
それを見つめていると吸い込まれそうになる。
まるで、彼の瞳を見つめている時のように。
ut「なあ、Aちゃん」
『…ん？』
心地よい潮風に吹かれながら、私は彼に返事をした。
温かみの太陽に照らされ、とてもいい気分だった。
ut「…ずっと前から好きでした。」
トゲのない、柔らかな声でそう言われ、私は思わず彼の方を見た。
大先生は珍しくちゃんと私の方を見てくれていて。
そんな彼の瞳は、私たちの目の前に広がる海よりも美しかった。
ut「こんな僕ですが、…じゃなくて。
絶対に貴方を守って、絶対に貴方を幸せにするので、僕と付き合ってくれませんか」
しっかりと私の目を見つめてくれる大先生。
そんな彼の言葉をきいて、私は自分の目頭が熱くなるのを感じた。
気がつくと、頬をなにかがつうっと伝っていっていた。
『私も、貴方のことが好きです。これからお願いします』
口元を緩ませてそう言うと、彼もまたくしゃっとした笑顔をうかべて目に涙を貯めていた。
ut「よかったっ…！ほんまに、…。」
手で顔を覆いながら呟くようにそう言うと、大先生は急にすくっと立ち上がって海に向かって叫んだ。
ut「やったぁぁぁぁー！」
『ちょ、恥ずかしい…///』
思わず顔を赤くして彼のズボンの裾を引くと、我に返ったのか彼もまた顔を赤くして私の隣に座り直した。
ut「なっ、何してんねや、僕…」
落ちてきた眼鏡をかけ直すと、大先生はふぅと深呼吸をするように息を吐いた。
ut「…改めて。大好きやで、A」
『私も。大好きです』
2人で顔を見合わせてそう言い合うと、彼が不意に顔を近づけてきた。
少し驚いたが、何となく察してゆっくりと目を瞑る。
唇に柔らかいものが当たる感覚。
少しだけ目を開けると、大先生の顔がすぐ目の前にあった。
ut「ありがと…ほんま」
唇を離してすぐ、大先生は私を包み込むように抱きしめた。
彼の匂いに包まれるような、そんな気がしてとても心地よかった。
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☆雅空☆(プロフ) - Aoiさん» お待たせしましたm(._.*)mありがとうございます！とても嬉しい限りです！ (2020年1月29日 20時) (
レス) id: b3698bc5f5 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi - 待ってましたー！(待ち続けて良かった) 完結おめでとうございます！ ニコニコしながら読ませていただきました！ (2020年1月29日 15時) (レス) id: 04b09c3544 (このIDを非表示/違反報告)
☆雅空☆(プロフ) - 流希さん» ありがとうございます！これからもご期待に添えられるように頑張りますっ！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: b3698bc5f5 (このIDを非表示/違反報告)
流希 - 可愛いすぎる！凄く好きな感じの作品です！頑張って下さい！ (2019年10月5日 10時) (レス) id: a52e442f29 (このIDを非表示/違反報告)
☆雅空☆(プロフ) - ぺんぎん☆さん» 神だなんてそんな…(汗)ありがとうございます!!頑張りますっ！ (2019年9月29日 22時) (レス) id: b3698bc5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆雅空☆ | 作成日時：2019年9月14日 11時
