交渉と分岐点 空夜 ページ8
紫紺の瞳に、無造作にまとめられた黒髪。探していたその少女は、意外にもあっけなく見つかった。
「そこまでだよ、ディアボロ・エックスバレット」
「やっと見つけた……」
空夜と紅音が同時に言葉を発する。「あ、やっべ」と、ディアボロは実に軽い調子で呟いた。
「ほらね影、ディアボロ・エックスバレットってちょっと抜けてるどころか相当な大穴が空いてるだろう?」
「いや、なんだか拍子抜けだな。もっと梃子摺るかと思ったんだが……」
影が苦々しく笑う。ディアボロは余裕そうな先刻の様はどこへやら、「あっれぇどうしようかなーやばいぞぅー?これマジでえーっとねーあっれれー?」とかなり焦っている様子である。
「ねぇ芹亜、多分この状態に戻したのってこの人だよ。僕わかるんだ。……殺っていい?ね、殺っていいかな?」
「やめておいてくれ、恐らく彼女は殺せないタイプの人種だ。あれだけの惨状をもう一度やり直すなんて、伊達や酔狂では出来ない。返り討ちにされる可能性が非常に高いし、私だって君に目の前で死なれては困る」
「もう、芹亜はいっつも僕の心配ばっかり!ちょっとは自分の心配もしてよね!……今回は特別に許してあげるけど、次同じ事を言ったら本当に怒るから!」
「……善処するよ」
噛み合っているようで絶妙に噛み合っていない事を言う紅音、なんとも言えない表情で取り敢えず相槌を打っている空夜、それを見て必死に笑いをこらえている影。そして未だに「これどーするよ!?」と独り言を呟いているディアボロ。この場は正にカオスと言うべき状況になっていた。
「―――こほん。ところで、ディアボロ・エックスバレット。君の目的は確か暇潰しじゃなかったかい?うん、まあ、この状態の方が確かに暇は潰せそうだね。共感するよ。あと奇遇にも、私も現実主義者と正義の味方と子供はそこそこ嫌いだったりする。まあそれはさておき、何か交渉の余地はないかな?」
「交渉の余地ぃー?何のさ」
「例えば、君の暇潰しの代替案を私が提示するとかね。別に私は東京がどうなろうとどうでもいいんだが、このままだと私の同行者が納得しない。東京に現れた怪物と戦い続けるだろうし、君に楯突いてくるだろう。君だって自分の暇潰しの邪魔はされたくないんじゃないかい?」
「あぁ、そーゆー感じね。うーん、そうだなぁ……」
ディアボロが考え込んでいる間、空気はぴりりと張り詰めていた。
―――
うp主こと東方好き死神まおさん、ここから続けて下さい……!
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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年8月6日 9時